つづきです。
占星術とは近しいものの、似て非なる学術体系に、天文学という学問があり、その天文学によれば、星座は88個ある。
占星術における12星座は、天文学における88個の星座のなかから、任意のものを選んだ(位置関係さえ表示できれば、どれでも良かった)かというと、そうでもなく。
唯物論にもとづく科学が ここまで発達してしまった今では、かえって説明するのが難しい、オカルト的な根拠が、たしかにある。
それ以外にも、いくつかある理由によって、占星術で使用される12星座は、天文学の88星座のなかからピックアップしたとは、とうてい呼べない代物であり、ひとことで「星座」といっても、両者は、まったく、別のもの。
したがって、用語としての正確性を期すなら、占星術のほうの12星座は、厳密には、星座ではなく、「12サイン」と呼ばれる。
そうして。では「12サイン」とは何か、と言えば。
ほんとうに。これは、もう。「時計の文字盤」に、近い。
1日ではなく。1年で1周するタイプの、「時計の文字盤」―――。
ここで。時計とは、そもそもどのようなものであったか、想起してみてほしい。もっとも原始的な形の時計盤とは、地面に棒を立てると、日照によって影ができる。その影の位置が刻々と変化することによって、日の出から日没までの時の刻みを知る、というものだった。
すなわち「地球の時点に伴う、太陽の動きを知る」ためのもの。
そうして、それに対して「地球の公転に伴う、太陽の動き」を知るための時計というものもあり、12星座(12サイン)とは、じつは、そのためのものなのだ。
繰り返しになるが、ほんとうは太陽自身は微動だにしておらず、動いているのは、地球のほうだ。
しかし、地上生活を営むうえでは、ほんとうは錯覚にすぎないはずの「太陽の動き」を正確に把握しておく必要があり、言ってみれば、地球上からの「主観的な」太陽の動きを、「客観的に」記録できることが必要になり。
その「客観性」の担保として、太陽系ぜんたいを取り囲むようにして存在している、12星座の名前を使用することにしたのだ。
そういう事情があるので。
地球から見た、太陽の位置。これが1年で1周する軌道を描くわけだが。その、「1周:360度」のうちの、いま、どの地点にいるかを、正確に把握できることが最優先されるため、12星座(12サイン)の配置、割り当ての仕方を、完全に、その目的に沿ったものと、なっている。
すなわち、太陽の軌道全360度に、均等に 12星座を割り当てて、各星座は、それぞれ30度ずつ。もちろん、星座同士の位置関係は、未来永劫、変わらない。
まさしく、12星座を、時計の文字盤のごとく使う、とは、このことである。
天文学的視点によれば、それぞれの星座は、大きさもちがっていれば、含まれる恒星の数も異なる。
それにもかかわらず。なぜ、占星術では、まったく均等に、「1星座:30度」なのか。それには、こうした理由があるのだ。
各星座それぞれ30度ずつ、というルールをなくしてしまったら、春夏秋冬をあらわす時計盤としての機能も、なくなってしまう、ということなのだ。
つづきます。
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