傾斜 | 詩人:Writer 上杉浩司

 

 

 

あなたは傾斜したような存在感を私に見せて

黙っていた

否応なしにあなたが語った言葉の中に

私はあなたの心の中を見ることが出来なかった

 

ただ家に帰ってあなたの事を考えた時

あなたの言葉はほぼ沈黙に近い

それでいて饒舌に近いものに思えた

結局私たちは何も話していないのではないかと

 

感情と感情のぶつかり合いは避けたい

そのために言葉があるような気がする

要するに言葉とは自分を隠すための

一つの 手段ではないのか

 

そう思った時から

あなたの語った言葉が意味を失くしてしまって

私はあなたを探す旅に出てしまった

これは明らかに私の失敗だった

 

もうどうにもならないところまで私は来てしまった