成り立つ詩 | 詩人:Writer 上杉浩司

果たして

私の人生は何なのだ

 

今も

あなたの幻影に悩まされ

 

毎日のなかで

一里塚のように

 

立ちすくすあなたに

一体何を私はすればいいのか

 

ただあなたを見ているだけでいい

と誰かが言っている

 

いっそうのこと

朝から晩まであなたの実体の代わりに

 

あなたの観念を連れまわして

どこにでも行くがいいと

 

これもまた誰かが言っている

様々の歩み寄りの中で

 

私はあなたに近づくための方法を

すべてを放棄した

 

その放棄の中にあなたの光を観た

この光が

 

いつまでも私の

記憶の隅々まで照らして

 

私にほんの少しでも

私だけの言葉を与えてくれるならば

 

私はいつも納得し

不幸からも遠ざかることが出来る

 

それによって

人生はほぼ成立すると思う

 

成り立つ詩にも出会えると思う