星を切り刻む
星を切り刻んだような瞬間
初めての目眩 空気に対しての目眩
戸惑いなど始めから無かった
春はいつの間にか姿を変えて
もしかして息づく人間になってしまったのか
笑ってはならない
今という瞬間の空も凍り付いたような
沈黙を抱えながら 私たちは 言葉を
交わすことも出来ず 色褪せた表現を
避けるように 闇の中へと潜り込んで行った
朝から夜までの距離を一気に縮めた顔の光景
動揺する時間を何処かに忘れてしまったと
言っていいのか
想い出を奇術のように組み立てながら
窓ガラスの外の車の音さえも
私達には遠いものだった