例えばひとつの 例えばひとつの 静かな 静かな 朝の 空気の中で 見えない あなたの心の陰に 私は うずくまる花を見ました 多分 誰にも 見られることなく 枯れて行く花の類ではなく 一度は枯れて いつの間にか 再生したような 似姿をした花 それは多分私の気持ちであり 私自身の傲慢な論理の中で いつまでも いつまでも 咲くこともなく それでも 花の形を取ってしまった 例えば ひとつの 蕾とでも 呼びましょうか 誰一人知ることもなく いつの間にか 消えてしまっているような そんな 蕾