仮想詩 | 詩人:Writer 上杉浩司

 

仮想詩

 

 

 

まだ夜明けでもないのに

眠れないのは

我が身の熱りに

自分自身が敗れているからだ

 

幾度も幾度も

まるで欠陥を探るような目付きで

自分自身を掘り下げて行き

掘り下げた地点で

あなたを見るのだ

 

あなたはまるで

たまたまそこに居たように

動かず騒がず

 

私を軽蔑する訳でもなく

寧ろ崇めるような距離感を持って

私に接するから

私は今日も懲りずに あなたの

罠に落ちてしまう

 

おはよう ありがとう の会話が

何故こんなに重いのか

私には分からない

多分これ以上進むことのない会話だから

 

多分私とあなたとのあいだには

おはようとありがとうの会話しかない