Direction | 詩人:Writer 上杉浩司

失われたものの中にも

真実があり 美があり 命がある

そう思うことで

何とか自分自身を保てている

 

物の考え方一つで

失われたものも 明るく輝くと

誰かが言った

 

こんな考え方が

私自身を

普通にしてしまう

 

要するに

失うことは嫌なのだ

誰しも

 

だったら何故嘆くのか

何故悔むのか

何故落ちて行くのか

そこまで分かっていて

 

人生は

降下するように出来ているとは思えないが

時々はそんな風に思うことで

諦めを受け入れることが

出来るかも知れない

 

これは

本当に危険な思考だ

 

だから

まず選べ

自分の一番大切なものを

自分の一番失いたくないものを

そうすることで

失ったことが

まるで厄が取れたかのように

思えるかも知れない

 

自信だけは残せ

自分を信じることだけは残せ

そこから歩け

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