に入る「三越名取店」の2009年3月1日閉店が正式に決まった。
![aeonmall-01](https://stat.ameba.jp/user_images/d3/68/10096187107.png?caw=800)
「イオンモール名取エアリ」の基幹店舗「三越名取店」は、仙台空港アクセス鉄道沿線の
有力な集客施設として2007年2月28日にオープンしたばかりで、わずか2年での撤退となる。
三越としては全国2番目の郊外型店舗で、売り場面積は名取エアリの約2割の規模。
30歳代から団塊世代までをターゲットに、年間約60億円の売り上げを見込んでいたが
2008年2月期の売上高は37億5000万円にとどまっていた。
SCと共存する郊外型百貨店という試みに百貨店業界も注目したが、
業界他社は「差別化に失敗した」と冷静に受け止める。
小売り激戦区の仙台圏は今後も大型出店が続き「生き残り競争」はさらに激しさを増す。
エアリは、三越名取店とジャスコを二つの核店舗として専門店が並ぶ「二核一モール」。
ブランドイメージを保ちながらの郊外展開に、業界内には当初から懐疑的な見方があった。
周囲の声は「郊外型モールで、安くはない百貨店の商品が売れるのかと業界で話題だった」
「激戦地の仙台圏で、店のカラーを確立する間もなく他店に客が流れたのではないか」
と分析。明確な差別化を図れなかったのが敗因との見立てだ。
三越名取は、郊外のファミリー層と三越ファンが多い50歳前後の双方の取り込みを図った。
しかし「店舗が11500m2と小さく、双方を取り込む十分な品ぞろえができなかった」
「パルコやアウトレットモールもでき、将来的に利益が出せないという経営判断もあった」
(三越郊外型店舗事業部)と、「戦略ミス」を認めた。
仙台市では今年、大型商業施設の開業が相次ぎ競争が激化している。
2008年8月23日、仙台駅前に150店舗、延床面積約50000m2の「仙台パルコ」
2008年9月12日、郊外にも120のテナントからなる東北初のアウトレットモール
「三井アウトレットパーク仙台港」が相次いでオープン。
2008年10月16日にも国内外83のブランドが出店する新アウトレットモール
「仙台泉プレミアム・アウトレット」が開業予定。
地元経済界や自治体関係者らは、地域への悪影響を懸念する。
名取市商工会の小島哲夫会長は「街づくりに影響があるのではないかと心配だ」と話す。