人工知能は急速に進化している。さらには2030年までに常温で稼働する量子コンピューターが実現する可能性も高まっている。両分野で日本は健闘はしているがアメリカは資金力、人材力で圧倒的優位に立っている。日本の研究者は世界レベルだが経済界に、それに比敵するような人物が皆無に等しい。経営層の圧倒的多数が「高学歴文系エリート」だからだ。マスコミはマスコミで科学の進歩に追いついて行くことができていない。最先端科学分野に関して彼らが書く記事はあたかも小学生が書いたもののようだ。研究者から渡されたニュースリリースを高学歴文系記者、高学歴文系編集者が理解できないまま記事にしているから、そうなる。
通常の教育で学習する物理学は「古典物理学」までだ。現在進行しているのは、それとは別の量子物理学で、一般の人間は学校では習っていない。古典物理学の常識では量子物理学を理解するのは不可能だし量子物理を理解できるのは数学の素養がある人間だけだと言って過言ではない。2025年以降、世の中のサイエンスの主流が量子物理学、量子化学、量子生物と数学になることは議論の余地はない。その分野を支えるのはPh.Dの学位を持った人物だけになるだろう。
確実なことは数学、物理、化学、ライフサイエンスの高度な知識がない人間はなす術もなく人工知能、量子コンピューターに支配されるがままの時代が来るということだ。その結果、日本でも2030年代には高学歴文系エリートがこの世から消滅する。
大学では何を勉強するべきか?答えは明白だ。数学、物理、化学、ライフサイエンスの分野だ。
日本の大学生の70%以上は文系だが、今後は決して文系学部に入ってはいけない。理系学部以外を受験してはならないのである。当然のことながら不合格者が大量に発生する。日本の大学の理系学部に入れそうもない高校生は、ではどうしたらいいのか?
唯一の方法はアメリカの大学に入ることだ。なぜなら入試がないからである。文理の区別がないからである。
東大や京大、早稲田、慶應などの国内トップ大学の理系学部を目指す高校生であれば高1からアメリカの大学を目指して準備をしておけば、トップレベルのアメリカの大学に合格できる。世界大学ランキング100位は無理としても200位くらいの大学には合格できる。入学したなら卒業までに5年かかろうが6年かかろうが理系をメジャーとするのである。
日本ではアメリカの大学なんか卒業したって就職できない、と言われてきたが、それはアメリカの大学で文系を専攻したからかもしれない。そもそも、アメリカの大学で理系を専攻して卒業した日本人は数えるほどしかいないのではないか?
いやいや、根本の原因は日本の企業経営層の大多数が「日本の名門大学の文系学部卒の学歴」なので慣例から外れること、人事で言えばアメリカの名門大学を卒業した優秀な人材を採用する「異例な人事」を断行するだけの見識、気概、リーダーシップのかけらもなかったからだと思う。