学校教科書、塾、予備校のテキスト、その他諸々の英語教材には雑多な英文が使われているが、ほぼ全て出典が明示されていない。中高生は、こういう英文を教材にしてはいけない。特に日本の学校教科書に使われている英文はダメだ。根拠は示せないが、日本人が書いたと思われる「英語”もどき”の英文」で非常に幼稚だ。そんなものを中高6年間読まされ、試験をされたら、どんなに優秀な生徒でも、使用言語が英語になった途端「英語ネイティブの6〜8歳児の言語能力」しかない人間に貶められるのである。
このような、まるで植民地であるかのような「言語空間」から抜け出す方法は一つしかない。年齢相応の学科を英語で勉強するのである。英米の学校で使われているような教科書、参考書を使うのである。考えてもみれば、日本の学校こそ、それを実行すればいいのだ。だが、文科省はじめ学校、塾、予備校は、それをしない。多分、しないのではなく「できない」のだ。学校、塾、予備校は特に算数、数学、理科、化学、物理、生物などの理数系科目の(英語で書かれた)教科書は絶対に使おうとしない。教師、講師のほぼ100%が「英語が得意な文系教師、講師」だからだ。彼らは、理数系分野については英語ネイティブの6〜8歳児の言語能力しかないだろう。私自身、最初の頃はGrade5ですら難渋した。今ではGrade8までは何とかなるがGrade9〜12レベルのサイエンスになると厳しい。
しかし、英語でサイエンスを勉強すると、あれほど嫌いだった化学を面白いと思えるようになった。量子科学の入り口は、化学に違いない、化学を勉強しないなんて、とんでもない、とさえ思うようになり、日本の中高校は英語の授業をゼロにすべきであって化学を英語で勉強すべきだと思うようになった。
いやいや、理数系分野だけではない。政治、哲学などの文系分野でも、日本の中高生は「英語ネイティブの6〜8歳児の言語能力」しか持ち合わせていない。そういう人物が、政治、外交の分野のエリートになっているのが日本国家の現状だろう。