「ホタルの舞う夜」
発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。
新しい目を持つことなのだ。
─マルセル・プルースト(仏 小説家)
先週末の新潟・魚沼の“たんけんたい米づくり” で、久しぶりにホタルを見た。日本で蛍を見たのは確か小学5年生以来だから36年ぶりだ。
海外でホタルを見たのは、マレーシア・ボルネオ島の旅
で2003年12月、今から約5年前だった。日本のホタルよりは小ぶりで、やたら点滅の速いホタルだった。
そのことを新刊
の原稿には書いたのだが、文脈から浮くということでボツになってしまった。ここで公開したい。
一緒に旅しているかのように目の前に光景が広がると嬉しい。
超現実的な空間~もう二度とあの瞬間には立ち会えない
日が沈んでから真っ暗な中でもリバーカヤッキングを続けた。海水を含むマングローブの生い茂る川を静かにゆっくりとオールを漕ぐと・・・。オールとカヤックが光った。
「おぉ~夜光虫だ!水面が光るよ。みんな~。」
「えっ!ウッソー。本当だ!光る、光る・・・」
水面がキラキラと光って不思議な感覚にとらわれた。マングローブに目をやると今度は光が舞っている・・・。
「ホタルだ!」
クリスマスツリーのような光を放って歓迎してくれた。夜空に目を移すと、そこは満天の星空。この超現実的な空間でオールを漕ぐ仲間の声は嬉しさのあまり興奮していた。まるで光に満ちた銀河を、鉄道に乗って旅しているようだった。水面下の夜光虫、マングローブの蛍、そして闇に光る星空、すべての光が合体する偶然。もう二度とあの瞬間に立ち会うことはできないかもしれない。
心を解放して童心に返ろう
365日ウミガメが産卵にくる島、タートルアイランド。
島への上陸シーンは、今思い出すだけで笑みがこぼれる。そこは南の島のイメージにピッタリの島だった。色とりどりの熱帯魚が泳ぐ珊瑚礁の海。俺たちが上陸するまでの3日間、波が荒れて接岸できなかったという。
「あなた達はラッキーよ!」ガイドに言われた。
そこで迎えた新年。島民がカウントダウンをして海に飛び込むことを聞きつける。ここで数人の隊員がやる気になって水着に着替えた。オレは深夜0時すぎに水シャワーを浴びる気になれなかったので断念した。
ところが「ハッピーニューイヤー!」と島民と隊員が水をかけあって喜ぶ姿に、俺はかなり後悔していた。
「めちゃくちゃ楽しそうだな…やればよかった…今さら行くのも、ちょっとなー」
とためらっていると、一人の隊員が海からあがって近寄ってきた。
「俺ね、思うの。本当は今、隊長もやりたいと思ってるんじゃないかな。」
と見透かされて、オレはパンツ姿になった。隊員たちに御輿のように担がれて真っ暗な海へ放り投げられた。脱げるパンツを片手で押さえながら
「ハッピーニューイヤー!」
と叫んで、隊員、島民と水を掛け合って、ずっと笑っていた。
水を掛け合っているだけで、心が満たされ、心が解放されていくのを感じた。それを見ていた女性たちも、真っ暗で見えないからと服を脱ぎだしてダイブし始めた。
みんなで大騒ぎの夜だった。大自然に触れ、童心に返れた楽しい旅だった。心を解放して、童心に返る旅。それが「地球探検隊」の旅だ。
学力より楽力。
楽力が高い人はその場の雰囲気を明るくし、
みんなを楽しくさせます。
吉丸房江(健康道場・コスモポート主宰)