ここ最近、好きなタイプのお兄さんが出てくる映画とか本とかに目を通してみた。
多分、共通するのは、遊び人とか浮気性とか、そういう性質のように思う。
普通なら、敬遠されるタイプだ。
しかし、私は昔からこういう難しいタイプの男性にチャレンジしたいタイプなのだ。
きっと、阿呆なのだろう。
男性を荒波に耐える船か何かだと思っている。
ただのボートみたいな癒される男性にあまり惹かれない。何故なら、私は三半規管が弱いのか、ボートに乗っただけで悪酔いするからだ。
それならいっそ駆逐艦みたいな男性の方が良い。
何度も彼らに泣きそうなほど大変な目に遭わされている。その度に、手漕ぎボートみたいな穏やかな人と過ごそうと思うのだが、ボートに乗ると5分くらいで気持ち悪くなる。残念だが、駆逐艦で移動するしかない。
そんな風に思っている事が幸いしてか、他では難しいタイプの男性が、私とは長く続く事が多い。
駆逐艦に乗ってビュンビュン進むのは何事にも代え難い快感である。長く関係が続けば、何度も駆逐艦に乗せて貰えるわけだ。この快感に酔う感じが、惚れているという状態になるのだろう。もしかしたら、ベタ惚れという状態かもしれない。
荒波に耐える大きな船みたいな人が、私のところではゆったりと停泊してくれる。
けれど、停泊させ過ぎて、錆びないようにしないと、こっそり、他の良さげな船を港に招き入れてしまう。
最果ての地の寂しい港にも、ごく稀にだが彷徨い込んでちょっと休憩してしまう船が存在するのだ。