様々な悪性血液疾患の治療の過程において、又は造血幹細胞移植後の免疫力が著しく低下している期間において、多くの方が保有している水痘・帯状疱疹ウィルスが活動を再開し、帯状疱疹に非常にかかりやすくなることがわかっています。また、一般の健康な方でも、何らかの理由で免疫力が相当に低下した場合に水痘・帯状疱疹ウィルスが活動を再開し、帯状疱疹を発症することがあります。このような恐い感染症である帯状疱疹の症状、治療、予防法、発症しやすい年齢、帯状疱疹後神経痛等の後遺症に関してわかりやすく書かれたものとして、以下のものが参考になります。
・長谷川耕平「帯状疱疹の症状・皮疹と神経痛」FNN プライムオンライン 2022年 4月27日
・NHK クローズアップ現代 2023年10月10日「3人に1人が激痛!? 激増する帯状疱疹 そのワケ
・NHK きょうの健康 2024年1月11日 ニュース「急増!帯状疱疹(ほうしん)後遺症を防ぐには」
帯状疱疹後神経痛によって夜も寝られないぐらいの激しい痛みが続くことのつらさを伝えるものとしては、例えば、以下の記事やブログがあります。
・ハイヒール・モモコ「帯状疱疹後神経痛でマスクが痛い。更年期にも翻弄されて」婦人公論2021年1月8日号
・オーシャンブリッジ高山のブログ 2023年2月21日「リリカ(プレガバリン)を再度増量 衰えを知らない帯状疱疹後神経痛とどう対峙していくか」
最近では、2014年以降の帯状疱疹の流行(久住英二「激痛!コロナ禍で『帯状疱疹が急増』三つの理由」東洋経済オンライン2022年5月25日、朝日新聞2023年11月23日「急増する働き盛りの帯状疱疹 発症率約2倍に増加、予防接種が影響」、日本経済新聞2023年11月29日「帯状疱疹、50歳未満でなぜ増加? リスクや予防法は?」)が大きな問題となっています。そのため、造血細胞移植後の免疫抑制状態にある方でも接種が可能で(造血細胞移植ガイドライン 予防接種(第4版)32頁)、予防効果も高いとされる不活化ワクチンのシングリックスは2回の接種が必要とされ、費用負担も大きいこと(2回で約5万円かかります。)から、帯状疱疹の予防接種費用の一部を助成する自治体は急速に増えており、2023年7月に254区市町村に達したとされていますが(読売新聞2023年8月3日「(東京版)帯状疱疹ワクチン、助成35区市町村に急増 都補助が後押し」)。その後も、費用助成をする自治体の数は増えており、2024年9月24日現在、筆者が知り得たものだけで667市町村に達しています。
このような状況を背景に、令和5年11月には厚生労働省厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会で、帯状疱疹予防接種の定期接種化の是非が検討され、令和6年6月20日、定期接種化の方向で検討するとの結論が出されました(NHK News Web 2024年6月20日「帯状ほう疹のワクチン接種費用を公費補助の定期接種へ 厚労省」、公明新聞2024年7月1日「帯状疱疹ワクチン 公費助成の定期接種へ」)。
そこで、以下では、日本全国を(1)北海道~埼玉県、(2)千葉県~愛知県、(3)三重県~沖縄県、の三つの区域に分けて、現在帯状疱疹の予防接種費用の助成を行っているか、これから助成事業を行う予定の自治体のサイトにリンクしました。
北海道(70市町村)
青森県(3市村)
岩手県(12市町村)
宮城県(7市町村)
秋田県(24市町村)
山形県(5市町村)
福島県(7市町村)
茨城県(15市町村)
栃木県(25市町全部)
群馬県(34市町村)
埼玉県(32市町)