新しく開通した北陸新幹線を使って、久しぶりに旅に出た。
宿泊は、ネットで調べて安かった和倉温泉の某旅館に決めた。当日、和倉温泉の駅につき、駄目元で旅館に電話してみた。「今、駅に着いたのですが、迎えをお願いできますか?」すると、15分ほど待てば来てくれるとのこと。これは有難い。タクシーで行けばそれなりにお金がかかってしまう事だろう。
少し待つと、ホテルの少しくたびれたワゴン車で、スーツ姿のおじさんが迎えに来てくれた。とても愛想のいい、おじさんであった。ホテルまで乗せて行ってくれて、そのおじさんがチェックインの手続きもしてくれた。フロント係のおじさんだったのか。フロント業務の手を止めて、わざわざ駅まで迎えに来てくれたとはありがたい。
「明日の帰りは何時になさいますか?」と聞くので、「8時40分の特急に乗りたいのですが。」と応えると、「う~ん。送迎のバスは、9時以降になってしまうんです。どうしよう?」とおじさんは困った顔。しかし意を決したように、「では、余裕を見て8時20分に駅までお送りいたします。」と言ってくれた。
翌日、8時10分くらいにフロントにチェックアウトしようと行って見ると、既に車は用意され、玄関でフロントのおじさんがにこやかに待っていてくれた。「すみません、いま妻が着替えをしていまして・・。まもなく参ります。」といいつつ、数分待ってもらい、定刻どおり8時20分に出発、数分で駅に到着した。おかげさまで、特急には十分間に合い、我々は金沢観光を満喫することが出来た。サービスの行き届いたフロント係のおじさんだ。我々は感激し、妻はお礼のメールを書いた。すると、即日で返事が来た。
「この度は、御利用いただき誠にありがとうございました。駅までお迎えにあがらせていただいた、支配人の○○です。」
我々は心底驚いた。あの、愛想のいい、フロント係で、運転手のおじさん。実は支配人だったのだ。
実るほど、頭を垂れる、稲穂かな。
まさに、彼の事である。