「れんげそうの詩」という本がある。
さだまさしさんの詩と原田泰治さんの絵がコラボした素敵な本である。暖かいタッチの美しい原田さんの絵に、珠玉のさださんの歌詞が添えられている。楽譜も添えられているので、ピアノやギターで弾いて楽しむ事も可能だ。
原田さんの絵には、邪心が無い。原田さんの心で描いた絵だから美しい。彼は、お金を稼ぐ為に絵を描いているのではなく、心から描きたいと思うから描いているのだ。これがとても重要である。
さださんの詩には細かな情景描写があり、ストーリーがある。それはまるで、小説か映画の様である。そこには、人の優しい心や、日本の美しい情景がある。
だから、二人の作品をあわせて見てみると、実に上手く符合する事がわかる。それは、たまたま似ているシチューションをあわせたものであっても、あたかも始めから一緒に作られたかの様な、絶妙な調和がある。
たとえば、「春待峠」という歌がある。これは、山古志村でさださんが作った歌である。そこに、「山古志の春」という絵が添えられている。これらは、非常に上手く合っているが、実は別々の時期に作られた作品である。
「城のある町」という歌は四国の丸亀城を歌ったものである。そこに、原田さんの「夜桜」という絵が添えられている。これも、丸亀城の絵ではあるが、同時期のものではない。
同じ物を、別の人が、別の時間に見て、別の手段で描く。しかし、完成した物は実によく調和していて違和感が無い。とえも不思議な事ではあるが、なぜか腑に落ちる。
そこには、駆け引きなど無い、愚直なまでに真摯に作品と向き合っている、二人のアーチストがいる。
さだまさしさんと原田泰治さん。本当に素晴らしい。