Crush 14 | EXO's World 。… .:*:・'°☆

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カメ更新ですが気長によろしくお願いします




遠くで俺を見る君。

何を気にしているのか。


話したいならこっちに来てよ。


もう、俺は我慢の限界なんだ。







side C





今日も横目で何度も俺を見るベク。


決心したようにこっちに一歩踏み出すと、タイミング悪くベクよりも先にメンバーとかが話しかけて、結局諦めてしまう。


ここ数日はその繰り返し。


俺から近づこうとすると、ベクは体を強張らせてギョンスの後ろに隠れてしまう。



逃げないで。

傍に来て。





今日も遠くから俺を見る君。

もっと近くに来てよ。


どうしたら俺の傍に居てくれる?

俺はもう、この想いを言わずにいるのは堪えられない。


「はぁ……。」

「チャニョルがタメ息つくなんて珍しいね。」


机に俯せになる俺にギョンスが水を手渡しながら隣に座る。


「その様子だとベッキョンとはまだ話せてないみたいだね。」

「もう、俺、ベク不足でどうにかなりそう。」

「………それはベッキョンも同じかもね。」

「え?」


どういうこと?


「ベッキョンも毎日お前のことばかり気にかけててさ。知ってる?ベッキョンって寝言でお前を呼ぶんだよ。」


ギョンスはにやりと笑うと俺のおでこを突っついた。


「お前も想われてるね。」

「それ本当?」

「僕は嘘は言わないよ。」

ウインクして笑うギョンスに吊られて顔が緩んでしまう。


ベクが俺を想ってくれてる。


それって、俺に近づかないんじゃなくて、近づけないってことだよね?


なら俺は、例えベクが逃げても君に近づくべきだよね?


もう一度ベクに視線を戻すと、すぐに視線がぶつかって固まるベク。



もう、逃がさないよ。

俺がベクを迎えに行くから。




狭い控え室のなか、メンバーの視線を浴びながらベクの前に立って見つめあう。


君はもう、俺から逃れられない。


「チャニョ、」

潤みだす瞳で俺を見据えて

「あの、、俺、」

必死に何か話そうとするベク。

「ッ、」

言葉が詰まってしまうのか、何も言えなくてもどかしそうに泣きそうになるベクに、俺はもう無理。


「ごめん。ベク。」



これ以上、俺の気持ちを締めつけないで。

それ以上にベクを求めてしまうから。


俺はここではなく、ふたりだけの場所に行きたくて、ベクの腕をとって控え室を出た。