side B
声にして、やっと自分のチャニョルへの想いに気づいた。
俺は、チャニョルが好きだ。
メンバーとしてではなくて。
でも、気持ち悪いよな。
男が、ましてやメンバーが自分をそういう対象で好きと思ってるだなんて。
それでも、好きなんだ。
その長い腕で俺を抱き締めてくれるお前が、
丸い瞳で俺に笑いかけてくれるお前が、
その低い声で俺を呼ぶお前が、
どうしようもないくらい、好きなんだ。
「ベッキョン、」
ギョンスが眉を八の字にして俯く俺の顔を覗く。
「ギョンス、もしかして、心配してくれてるのか?」
「そりゃ、自覚した途端に俯いて黙っちゃうんだもん!心配するよ!」
「はは、大丈夫だって!自分がこんなに鈍感だったなんてなーって思ってさ。」
ギョンスがこうやって話してくれなかったら、ずっとひとりでわからないまま空回りしていた。
「なんだよ、もう。でも、よかった。」
ほっとして胸を卸すギョンスについ顔が緩んでしまう。
ジョンインとセフンがよくギョンスに絡む気持ちはわかる。
周りを気にかけて思いやる優しいギョンスを好きなのは、ふたりだけじゃない。(まぁ、ジョンイン以外はみんなメンバーとして、だけどな。)
「俺はギョンスほど落ち込むタイプじゃないんで。どんなに望みがなくても突っ走るタイプだから、風当たりに強いんだよ!」
ベーッと舌を出して笑って見せた。
強がりではなく、自然と。
ギョンスはそれにわかってくれて、わざと拗ねたように頬を脹らます。
「俺がチャニョルを落としてやるとこ、見とけよ!」
「それは、見逃せないね。」
ふたりで笑いあって紅茶を飲んだ。
風当たりに強いのは本当だけど、それだけじゃないんだ。
これはただの直感だけど、
たぶん、チャニョルも俺のことが好き。
お前の今までの行動が、俺に自信を持たせるんだ。
だって、知ってることがひとつあるんだ。
「……チャニョルに確かめてみよっかな。」
「?何を?」
「いや、なんでもない。独り言。」
なぁ、チャニョル、教えて。