ぽろぽろ、ぽろぽろ。
男のくせに涙が止まらないんだ。
ぜんぶ、君のせいだよ。
ルハン………。
[ Your fault ] side X
「ヒョン、また泣いたでしょ?」
目が少し赤くなってる俺に気づいたセフンに、今日も見抜かれてしまう。
「もう、大丈夫だよ。」
「それ、何度も聞いたよ、ヒョン。」
ルハンの代役になってくれたジョンインにも言われてしまう。
ルハンが他の練習室へ移動になってからテストまでの数日間、この3人で練習している。
「ほんとだって!」
「「え~?」」
上から疑いの目で見下ろす弟たち。
「こら。年上を苛めないの!」
今日のテストで応援に来てくれたギョンスがジョンインに肩に腕を回されたままふたりに叱る。
「苛めてないよ。」
「心配してるんだよ。」
「「な!」」
年が一緒のこともあり、仲がいいふたり。
そんなふたりに呆れるギョンス。
なんで、俺とルハンはこうも違うんだろ。
サッカーやってるときや、3人で練習してるときはこんな風に仲良かったはずなのに。
「_____ョン、ヒョン!」
「ぅえ?」
「次、俺たちの番!」
セフンに手を引かれてテストの場所まで連れていかれる。
数日前まではルハンが俺を引っ張っていたのにな。
どんな些細なことでも、頭のなかはルハンのことばかり。
手首の痣も消えていて、残ったのはこの心の不発弾だけ。
審査を終えて休憩室で休んでいる間も、君のことばかり。
それで、また、意味もなく涙が溢れてくるんだ。
俺はそんなに泣くことはないのに。
ヒヤリ
「?!」
「しばらく冷やしてから来てください。先生には上手く言っておきますので。」
気が利くギョンスがタオルを濡らして、泣いて真っ赤になった目に充ててくれた。
「ありがとう、」
ギョンスはにっこり微笑むと休憩室を出て行った。
このままじゃダメだ。
弟たちに心配ばかりかけさせて。
明日も練習あるし、明日こそルーハンに会って、このモヤモヤを消そう。
泣くのはこれが最後。
_______そう、思っていたのに……。
いつもよりも心臓がバクバクとうるさかった。
こんなにも心がざわつくのは、初めてだ。
…………ルハン、会ってくれるかな。
何度も心を落ち着かせて、やっとのことでルハンのいる練習室へと脚を向ける。
「あ、ヒョン!」
廊下を歩いている途中でセフンに呼び止められて、腕を引かれる。
「え、ちょっと待ってセフン。」
「先生に会議室に呼び出されたんで、一緒に来てください。」
そういうと俺の腕を引いて急ぐセフン。
会議室に呼び出されたって、俺何かしたかな?
セフンもなのか?
不安が押し寄せるなか、すぐに会議室に着いてセフンは扉を開けた。
セフンは中に居る人たちと話してて、俺はぼーっとそれを見てるだけだった。
ふと視線を感じて、その先を探ると、体が硬直して心臓までも止まってしまった。
だって、そこには、、
俺に優しく笑いかける、ルハンが居るから。
俺はまた、泣きそうになった、、。
「……どう、して?」