バッカス(紫李夫人)
実はバッカスのことで、ちょっとした実験を始めてみることにした。というのは、以前書いた記事の繰り返しになってしまうが、この品種には、原種である李夫人(※バッカスこと紫李夫人は園芸選抜種)共々、丈高く育ってしまいがちであるという問題点がある。で、その原因は何だろうと考えたところ、原種である李夫人は「塩田」内に自生しているということが引っかかった。そして、細かい理屈は以前の記事で書いたので省略するが、塩分濃度の高い土壌に自生しているために浸透圧等の関係で、李夫人系は「通常用土で栽培すると水分を過剰に吸収して徒長してしまう」性質があるのではないかと推測したのである。その時の結論としては「だから灌水は辛めにしよう」ということだったのだが、先日、ハタと思い至った。この品種に関しては塩分があった方が自然だというのなら、塩分を足してやればいいではないか、と。というわけで始めたのだ。およそリトープス栽培としてはあり得ない「塩分の投入」を。似たような環境に自生しているムイリアの宝輝玉のように塩分が生育の必要条件になっているわけではないものの、李夫人系は塩分があった方が生理機能がバランスよく働く可能性があるような気がしたからだ。ちなみに、国内外の栽培情報に当たってみたが、李夫人系にわざわざ塩分を与えて栽培している事例は見当たらなかった(←そりゃそうだよ!)。少なくとも塩分に対する耐性自体はあるはずだから、これで枯れるようなことはないだろうと踏んでいるのだが、果たしてどうなるだろうか…。岩石栽培を始めたこと自体もそうだが、自分の「人柱体質」に呆れつつも(笑)、水やりの前にバッカスの鉢にせっせと食塩を播いている(※良い子は真似しないでねw)。