今日は、先日予告(?)した、鉢の話。
最初に前置きとして、至極当然なことを改めて述べさせていただきたい。多肉に限らず植物というものは、そもそもは大地に深々と根を張って生きているものである。それを、人間の都合で「鉢」という極めて限られたスペースに押し込んで育てているわけで、それ自体そもそも無理のあることではある。ましてや見栄えや単なるスペース節約のために不適切な鉢を選択するなど、マトモに育てていこうという観点から見たら論外なことであろう。一応、そのことはわかっているつもりだった。しかし、自分が多肉栽培に使っている鉢はといえば、業者から購入した時に植えられていた鉢そのままであった。言い訳がましくなるが、そこには「専門業者が使っているのだから多肉に適しているのだろう」という、ある意味、安易な判断というか思考停止状態があった。
しかしながら実はある時期から、多肉栽培、特にリトープスで使う鉢に関して、ある疑問を抱くようになっていた。何度も書いているように特にリトープスは、深植えにすべきであることに加えて直根が深く伸びる多肉でもある。したがって、本当はできるだけ丈の高い(=深い)鉢に植えてやらないと自生地での本来の生え方(?)が再現できないと思われる。具体的に言うと、リトープスを植えるにあたっての鉢の高さは「株の高さ+根の長さ+α」くらいのスペースが必要となるはずなのだ。更には今回の新型岩石鉢導入により、鉢底に入れる通常用土の存在が重要になってきてもいる。その一方でリトープスは、植物体としてはそれほど幅をとる多肉ではないので、大きめの群生株以外を幅のあり過ぎる鉢に植えるのは意味がないし、水分量のコントロールも難しくなってしまうだろう。ところが、大抵の市販の鉢は、丈が高くなるにつれて直径も大きくなっていく。直径に比べて丈が高い鉢としては東洋蘭用のいわゆる「蘭鉢」があるのだが、これは開口部に余計な縁(?)が付いていて場所をとってしまう上、多肉に適した小ぶりなサイズがない。洋蘭用のプラ鉢もサイズ的には似たような状況である。そんなわけで、特にリトープスに関してはずいぶんと無理のある植え方をせざるを得ない状況にあったのだが、そろそろ本格的に鉢の問題を考えなければと思っていた。

で、ネットであちこち探していて先日やっと、丈が「特に高め」のプラ鉢を発見した(※ポリエチレン製ならもっと丈高な製品もあるのだが、もちろん好ましい材質ではない)。一般に小型の鉢の多くは高さと直径が同程度なのだが、これは直径の1.5倍くらいの高さがある。具体的には直径9.7センチの「小」のサイズでも高さが14センチあるから、余裕でリトープスを「理想の植え方」に近づけられそうだ。というわけで来春までにこれを手配して、リトープス以外の小型の多肉もこの鉢に切り替えてみようと考えている。鉢底を除く大部分は岩石化してしまうから灌水してもサッと水が引き、底部の通常用土がある程度の水分を保つ…自生地の土壌に近い状態になるのではないかと思うのだが、果たしてどうなるか。
さてさて、実はこれからいろいろと忙しくなるので、ブログはしばらくお休みをいただくことにする。再開は多分1月の2週目くらいからになる予定なので、また来年もよろしくお願いしたい。どうか皆さんと皆さんの多肉たちにもいい年になりますように。それではまた。(^^)