
とりこんで加温中のアデニウム
毎年、室内に取り込んで加温しているアデニウムだが、以前からちょっと気がかりなことがある。というのも、どういうわけか取り込んでいる間に枝が毎年数本ずつ枯れて落ちてしまうのだ。今年も早速こんな感じである。↓

去年の冬もそうだったが、必ず何本かが萎れるように枯れ落ちていく。とはいえ、春から夏にかけて新しい枝も出ている様子なので、トータルでは(悪い意味で)収支がとれているというか、目に見えて枝が減り続けている様子はない。で、これは要するに、作落ちこそしていないが作上がりしているわけでもないという、なんとも微妙な状態なのではないか(汗)。多肉界でよく言われる、「どうにか枯らさずに生かしてはいる」といった形に陥っているような気がしてならない。その証拠に花付きがよくない。ただ、ネットで探してみたが、私と同じような事例(=一部の枝が萎れて落ちる)を見つけることはできなかった。
そこで改めて考えてみた。加温しているのだから、どうにか無事に冬越しできるのは、まあ当然のことではある。ただ、私の場合、それに加えて完全断水もやっていた。もしかしたら、これがマズかったのではないか。そこで気になってネットで調べてみると、冬越しの際の断水に関しては意見が二つに割れているではないか。そのうち、従来のマニュアル通りと考えられる多数派は「完全断水しないと腐る」と言っているが、その一方で「完全断水してしまうと弱る。冬でも時々少しずつ灌水すべき」と言っている少数派がいる。一体全体、どちらが正しいのか。で、以上のことを踏まえてとりあえず考えられる、うちのアデニウムの枝落ちの原因は以下のようなところだろう。①加温しているといっても底面ヒーターを使っているだけだから室温自体はあまり高くなく、それが原因で枝が落ちる。②前述の少数派が言っているように、冬でもある程度の活動はしているのに水切れさせてしまっているから、水分不足で枝が萎れて落ちてしまう。で、まず①だが、写真を見れば分かるように、うちのアデニウムにはまだ若干の葉が残っている。もし寒さ自体が原因であるならば、枝がダメになる前に葉が全部落ちるのではないだろうか。次に②だが、実はこの可能性が高いのではと考えている。というのは、無加温ならいざしらず加温していればある程度は活動しているわけで、たとえ完全に落葉したとしても、幹の表皮の下にある葉緑体で光合成は続けられると聞いている。この状態で完全に水切れさせてしまうのは、やはり好ましくないのではないだろうか。その上、我が家の方針に従って、このアデニウムも岩石鉢に仕立ててある。なので、普通の多肉鉢よりも水切れがよい上に、底面ヒーターで鉢の真下から暖められているから、より一層乾きやすくなっていると考えられるのだ。以上の推論から、アデニウムの冬越しに関しては②の説を採用し、リスクは承知で今冬から微量灌水をしてみることにする。そもそも冬越しのたびに枝がポロポロ枯れ落ちるようではマトモに栽培できているとはいえないし、もしこれでダメになるというのなら、我が家の加温設備でのアデニウム栽培はそれ自体が無理だということだろう。というわけで、どうせ花付きもよくないことだし、危ない橋かもしれないが渡ってみる。ご存じのように最近いろいろあって、メセンにとどまらずセネキオにまで多肉界の主流派の栽培法に疑いの目を拡大しつつあるので、もはや手当たり次第の軌道修正である(苦笑)。