
花が開き始めた大津絵
大津絵の花が少し開き始めた。株自体が傾き気味なので、花芽が太陽の方を向いてしまっているのは御愛嬌である。二重脱皮も解消してとりあえず元気だが、これでは株が浅い。花が終わったら深く植え直すことにする。
深植えといえば、先日、なんとコノフィツムを深植え栽培する実験をしている人のブログを発見した。で、結論から言うと、その結果はかんばしくないものであった。私はコノフィツムを手がけていないから偉そうなことは言えないのだが、実は実験の概要を見てすぐに「これはうまくいかないだろうな」と感じた。というのは、その人はいわゆる足袋型のコノフィツムを使って実験をしていたからだ。ご存じのようにこのタイプは、頂面(このタイプはそもそも頂面自体がないともいえるが)にリトープスのような窓がない。球体全体が緑色をしていて、当然、全身で光合成をするような体になっている。したがって、自生地においてもリトープスのように埋まっているわけではなくて、プレイオスピロスやケイリドプシスのように地面から普通に生えているのだ。それをわざわざ半分埋めてしまうことがプラスに働くとは思えない。うちのメセンでいうと、帝玉や神風玉を深植えしていないのと同じ理由である。これがたとえば、同じコノフィツムでも鞍型種と呼ばれる頂面に窓らしきものがあるタイプや、最近分類が変わってコノフィツムに編入されてしまったオフタルモフィルムたち(←懐かしいなあ)あたりであれば、頂面に窓があるが故に何らかの有意義な効果があったかもしれない。そう考えるとこれは、スタートラインがちょっと惜しい実験であった。いずれにせよメセンに関して、構造的に光合成のメインとなる「頂面」を持つ種類以外は、深植えにすべきではないと思う。
話のついでで思い出したが、昔はオフタルモも好きで何種類か育てていた(結局全滅したけど)。今更分類が変わったと言われても、未だにコノフィツムの仲間とは納得できない、ある種のリトープスにそっくりなあの頂面の窓…もしかしたら、オフタルモも深植えにすればうまく育てられるのではないだろうか。でも、コノフィツムの仲間というからには、休眠だの何だのとやっぱり面倒くさい(失礼!)のかな?…そんなこんなを考えて改めて調べてみたらなんと、(深植えの是非は分からなかったが)性質的にはリトープスに近いメセンであるらしく、夏季休眠させずに育てている先人がおられるではないか! そうか、オフタルモも無休眠で育つのか。ということは、うちでも…(含笑)。新たな野望が沸き上がってきた(笑)。もし運良く手に入ったら、容赦なく岩石鉢で深植えにしちゃおうかな~。