新たな年が明けました

あけましておめでとうございます

なんですけど、この云いまわしちょっと違和感ないですか?

新年を迎えたことを寿ぐ訳だが

何がそれほどめでたいのか現代人には正直ピンとこないだろう

元旦から七日までを松の内として祝い

七日目の朝、七草がゆをもって日常へ戻る

それほどこの新年を大切にお祝いするにはもちろん訳があって

これは人がいつ命を落とすかわからなかった時代だからこその感覚であり

これだけ恵まれた環境境遇で生きていられる現代人には

もうすでに伝わらない価値観となっているからだろう

けれど21世紀を生きる我々でも

歳を重ねて少しでも身体に不調をきたしたりすれば

途端にこの「あけましておめでとう」が胸に沁みてくるはずだ

楽しみに待たれよ

いずれはだれの身にも訪れる境地なのだ



さて

世の中にはいろいろな人がいて

そして各々にそれぞれの考えがあるもの

だから最近では個人、個性を尊重しようという風潮が強い

しかし人間には、というか人間社会には同調行動を重んじる向きもあり

それが時に個人を無視して恐ろしいほどの潮流となることもある

個人個性の尊重は世間ではすでにガンジガラメと成り下がり

これは天邪鬼的にはとてもおもしろい状況で

「個性を大切に」という「同調行動」になってしまっているからだ

つまり社会に関わる時、人はみなその影響を受けざるをえないということで

周囲からの働きかけによって動き出す自我は

欲と欲のぶつかり合いという葛藤を経て

気付けば我利我利のこころにまで落ちていく

「意馬心猿」という言葉があるが欲に突き進む心はそれほど制御不能なのだ

自分のこれまでを顧みれば

その業の深さに情けなくなるほどの醜い生き様であったが

はたして、社会からドロップアウトした途端

うそみたいに憑き物はきれいさっぱり落ちて

生涯の中でこれほどピュアに生きていられる日々に

我が事ながら感謝しているほどだ

なにも「悪い事」を考えなくていいし、また考えることもない

善人振りながら醜い自分を横目に見て生きることの地獄から解放され

ゆったりと安心して日々を暮らせている

人と関わることで自分を汚く見失う性質の向には

早々隠居することをお勧めする



定年後の暮らしを退屈で無意味だと嘆く人がおられるが

それも価値観の物差しを自分の外に置いているからで

自分をいったいどれほどのものと認識してきたのだろうかと

哀れにも感じる

人間なんて所詮ゴミ屑みたいなもんだと理解すればいい

これは諦観だが

諦観とは諦め卑下することではもちろんない

出来ることと出来ないこと

なれるモノとなれないモノ

かなうこととかなわないこと

これをよく吟味して明らかにすることを諦観というのだ

「絶対に」「どうしても」という言葉が口から出るとき

人は原理主義に落ちている

原理主義の正義はとても不幸だ

晴れた朝、青空を見上げながら

熱いコーヒーを啜り

あー今日は晩酌の宛てに魚でも煮て食うか、と考える

それ以下でもなければそれ以上でもない

これが退屈か?

なら風の止み間に庭の落ち葉でも掃いて焚けばいい

縁側に座布団並べて昼寝しながら屁をこいてもいい

やっぱり無意味か?

それじゃあネコに聞いて回ればいい

「生きるとはいったい何なのでしょう?」

多分ネコはこう云う

「ニャーーーーーーー」とね

とにかくなんの悪い考えも浮かばないこの日々は最高だ

ボクもやっとネコの境地に辿り着いたのかな

いやピテカントロプスか



昨年末にちょっとトラブったクロ介(R100RSもどき)

寒い朝の始動に緊張する

が、そこは難なく1発で目覚めてくれた

どこへ行こうか、と考えながら

やはりここへ来ていた



ここ最近の冬は幡豆のこの海岸が定番だ

途中で形原の漁港を渡る大きな橋を渡り

わざとらしいパームツリーの海岸に出た

三河湾を渡る風が強くてクロ介がぐらぐらと揺れる



エンジンは相変わらず絶好調

イグニッションコントローラーの不調だったが

思い出してみると、謎のエンストにたまに見舞われていた気がする

あれは壊れる前兆なのかも

とにかく今年はクロ介に頑張ってもらわなくてはいけない

夏には北海道を走らせてやりたいのだ



そのあと久しぶりに広域農道幡岡線に入った

予想してはいたが昨日しっかり降った雨がまだ乾いておらず

落ち葉が路面に広がって全く楽しめなかった

それでも今年最初の散歩はやっぱり楽しかった

冬はあまり遠出もしないし山へも行けない

ヤマハのコミュニケーションプラザに行ってみようかなとか

雪をかぶった富士山見に行こうかなとか考えはするけど

どうかな

やっぱ行かないかも



ということで

今年もどうぞよろしくおねがいします



今年の冬は厳しそうな気配だ

いやいや天候、気候なんてものは気まぐれもいいところ

だからじきに調子っぱずれのような具合になるのかもしれないが

まあそれにしても年末に向けての今日この頃は

しっかりと寒い寒い日々が続いている



SR400が車検から帰ってきたと思ったら

クロ介(R100RS擬き)が壊れた

クリスマスに向けて冬型が強まり

次々と強い寒気が南下してくるようなので

風もなくよく晴れたその朝

クロ介を引っ張り出して今年最後の「巡回」に出掛けるつもりだった

毎年寒くなってくるとやや始動に危うさを感じるが

それでも少し長めにセルモーターを回すくらいで

「困難」と云うほどのものではなかった

この日は冷え込んで9時を過ぎてもまだ3℃程の気温だった

昨日一日充電器に繋いでおいたのでセルはグルングルン回った

なのにクロ介が始動する気配が無い

バッテリーを休ませながら5回繰り返すがダメ

マフラーから生ガスの匂いが強くなったので

チョークを閉じてスロットルを開けてみるがやはり無反応

流石にバッテリーは枯れてきてセルも怪しい

どうしたんだい?ヘヘイ、ベイビー

バッテリーはビンビン(だったのに)

こんな朝にお前に乗れないのかよ

と、余裕噛ましても掛からないものは動かない



仕方なくクロ介はガレージに戻して再び充電器に縛り付ける

今日はもうフラットツインの股ぐらになっちまってるもんで

ビッグシングルをキックしてもノリが悪い

頭の中でグルグルするのはクロ介のことばかり

だったんだけどそこは現金なもので

いつものコーナーですっとSRのスリムな車体をリーンさせると

途端に唇の端が歪む

よしよし今年最後はお前で締めくくるよ



寒さもそうだが今年は記録的にこの時期の降雨が少なくという

少なくというか、全く雨が降っていない

空気もバリンバリンに乾燥しているせいか

ちょっと前に比べて路面の湿りが少ないみたいだ

山からの水は凍るがその出方もかなり少ない

朝方の冷え込みの強さに比べて霜の付き方もなんだか薄いのだ

もちろんその分凍結の心配は少ないのだが

路面温度はさらに下がっているので

一旦停止からの左折なんかでリアがグリュっと来ることもある

調子に乗って夏みたいにバンクしてスロットルをぐりーなんてのは進められない



1週間前に来た時より確実に季節は進んで

色付いた葉が残っていた木々もすっかり丸裸になった

乾燥した初冬の空ははるか成層圏まで澄み渡り

その青さを一段深くした

さすがに椅子を広げてのんびりなんて気にはならない

涼風(の里)の軒先に出されたままの椅子をちょいと拝借

ゆるいけど吹き付ける冷たい冷たい北の風を避けて

ありがたくも差し込む冬の低い太陽に目を細め

日向ボッコとしゃれこむ



もういつから嵌めているか分からないJRPの冬用グローブ

ツヤなんて当に無くなってるだけでなく

革が毛羽立って表面はガサガサだ

エンジンに触って表面を火傷させたりした大きなキズもある

嵌め心地と操作性がボクの手にフィットしているせいか

他のメーカーのグローブも新調しているのに

こいつがなかなか手放せない

若いころはグリップヒーターだ、電熱ベストだ、とやってきたが

逆に歳を重ねて真冬の指の冷たさに冬を感じる喜びを知った

指先の冷たさには人一倍弱いはずの自分だけど

この凍える指先に冬のライディングのプレジャーがあるのだ

気温一桁の空気の中を走ると

30分くらいで指先は凍えてくる

でもここからさらに指先が痺れるまで行くにはかなり時間がかかるものだ

何をそんなに我慢してまで、とニヤニヤしながら走るのだ

そして自販機の缶コーヒーを握り締める

だからいつもボクのコーヒーはぬるい



翌日、クロ介に清掃済みの使い古しプラグを付け

慎重にセルを回してみた

結果はまあ予想どおり全くダメ

JAFを呼んでピックアップしてもらう

そのままテックMCに入院になった

イグナイターが死んだらしくて

テックにたまたまあったイグナイターを付けたら始動したらしい

純正の在庫が国内になく、しかも高額なので

ヤフオクでよく見るユーロモトエレクトリックスのイグニッションコントロールを入手

取り付けたらあっさりエンジンは始動した

やっぱりエンジンの電装系はパーツのストックが必要だな

見極めが難しいのでパーツ交換が一番わかりやすい

プラグのような部品とは違ってみな案外高額なのがネック

中古品も含め検討課題だ



それにしても今年はよく走った

2台持ちになったこともあるけど

久しぶりに走行距離が年間1万kmを越えた

出来れば来年も北海道へ渡りたいと考えているがどうだろうか

行けるかな



今年もより多くのPVをいただき本当に感謝しています

今どき、ブログなんていう文字ばかりの媒体を読んでいただける皆様に感謝しかない

いくら読者に主ねないで書いていこうと思っていても

やはりそこはちょっと気にしてはいます

だから気分だけで更新があったりなかったりってことだけは止めようと

月2回の更新を自分自身に課している訳で

これがボクの最低限かもしれないが皆さまに対しての誠意みたいなつもりでいます

そうしながら来年も無駄にながーいタイトルで

云わなくてもいい事ばかり書いていきたいと思います

いやほんと、申し訳ございません

皆様におかれましては何卒良い年をお迎えくださいますよう

遠き空の下よりお祈りしております

そして、いつかどこかの路上で・・・


 



ボクが住んでいるのは県内にあっては寒い方だけれど

所詮、太平洋側なので真冬でもまあそれほどでもない

雪も降るけど、積もっても夕方にはほとんど消えてしまうことが多い

いつもオートバイで散歩しに行くのはここよりもっと山の方で

15分も走れば標高も500mを越えてしまうので

冬には常に路面凍結の不安がある

12月はまだギリギリなんだけど

一日中陽の差さない山影や渓流沿いの道路

あとやっぱり橋の上はどこも危ない



いつもは作手(つくで)まで行って

そこから日によってさらに北の段戸山へ向かったり

三河湖の北側を山越えしたりするんだけど

もうそろそろ作手から先はかなり(路面状況が)怪しくなってきた

千万町(ぜまんぢょう)の先の峠道は一日中ずーっとウエットだし

峠付近の路面は乾いてるような体(てい)だが黒々と鈍く光ってかなり怪しげ

こんな状況で気温が氷点下に落ちれば間違いなく凍結するだろう

その先、国道301号線に合流してすぐの切通はもう警戒レベル

山から染み出したお漏らしのような水溜まりが凍っていた

もちろん凍結イコール転倒とはならないんだけど

操作によっては事故につながる状況であることに間違いない



この日は風がほぼ無くて

日向はホッとする暖かさではあった

いつもの「涼風(の里)」に乗り入れて自前カフェを開く

通常のOD缶やアルコール燃料はすでにちょっと効率が落ちている

プロイソブタンのOD缶が冬にはいいけど

急いでいるわけでもないので

のんびりとヤカンから湯気が上がるのを待つ



今年も例年のごとく意味もなく何度もここへ来た

オートバイ乗りも年季が進むと走るルートが決まってくるものだ

若いころは、それをツマらなくて退屈だと思ったりする

刺激は確かに少ないかもしれない

でもライディングの楽しみが詰まった良いルートがあるなら

何度走っても全く飽きないものだ

それに幸いにも日本には四季があって

同じ景色でも日々少しずつ変化していく季節を楽しむことも出来る

馴染みのサクラや馴染みの紅葉があり

山や田畑、鳥や空や雲や

川の流れに風の息吹に

四季それぞれの表情がある

飽きもせずに同じ散歩道を走られるのは偏(ひとえ)に彼らのおかげだ



先日車検を終えたばかりのクロ介くん(R100RS擬き)はといえば

オカメ(エンジンのフロントカバーのこと)の下からのオイル漏れを経過観察にしていたが

ガレージの中に染みを作るようになったのでやはり修理することにした




ボクサーツインのオカメからのオイル漏れは

ほとんどがジェネレーターのシャフトのシールの劣化だ

その他にその下にある茶筒(イグニッションパルスセンサー)のOリングの劣化

あとエアクリーナーのブリードから出るオイルが垂れることもあるそうだ

今回はシャフトのシールが劣化してオイル漏れしていたのだが

ついでなので茶筒のOリングもあわせて交換した

何度も云うことだけどこのクロ介

ボクが手に入れるまで15年くらい店頭で店番していた

走行距離は12000kmとまだ少なく

外観上はどこからもオイル漏れは見られなかったが

全く動かさずに15年

ゴムやプラスチックの劣化具合は正直よく分からない

分からないけど劣化しているには違いないので

納車の時にざっとリニューアルしたけど

走りながら、馴染ませながら出てくる不具合をひとつずつ潰してきた

フロントフォークのシールやリアショックのシール

シフトシャフトのシールやニュートラルスイッチ、オイルプレッシャースイッチ

プッシュロッドのシール

そして今回のジェネレーターシャフトシール

納車時にちょうどセルモーターが死んだのでそれも交換してくれている

つまりOHVボクサーの定番の劣化個所は一通り終わった感じだ

金属系の劣化は走行距離に左右されることが多いので

30000kmにようやく到達したクロ介にはまだ先の話かな

車検の時にスロットルワイヤーの同調を頼んでおいたんだけど

これ、やっぱりすごく重要で

アイドリングからの回転上昇がパーフェクト

この辺りが古いオートバイの真骨頂かと思う



アイドリングはいま750rpmくらいで安定する

そこからスロットルを開けると身震いすることなくスーッと回転を上げる

こういうのって自分でできるといいなと思うけど

やっぱりプロのメカニックにはかなわない

ネジの緩め方締め方だってレベルが違うと感じるし

音や手触りだけでそこからボクの何倍も何かを感じることが出来る

本当にすごいよね

とにかくエンジン絶好調で走るのが楽しい

ゴムパーツの劣化はほぼ潰せたので

あとは激しいオイル消費だけかな

来年はクロ介で北海道へ行こう

北海道のペースは正直SRではしんどい

いやまだわからんけど




12月の半ばなのに今年は木々の落葉が遅いね

むしろ紅葉真っ盛りといった感じで

まだまだお山は華やかに色づいて見せる




けれどここに来て寒気の流れ込みは本格化してきたのか

北海道や東北の日本海側はすっぽりと雪に覆われたみたいだ

そのうち南岸を低気圧がかすめればこの地方でも雪がちらつくだろう

もう山へ入るのはここまでかな

こんなに山は綺麗だけど

路面温度が低くてワインディングを楽しめない



今年も冬がやってきた

いつものように馴染みの景色たちにしばしの別れを告げて

春を待つ日々がまた始まる




もうすっかり恒例となったラリージャパンの嵐が吹き荒れた後

三河の山は、それはもうまっしぐらに冬へと向かうのだ

山陰の落ち葉はいつまでも乾かずに路面に張り付きその厚みを増し

風が出れば植え放題のスギから枯れ枝がボトリボトリと落ちてくる

植林の山中は鬱蒼と真っ暗で

一日中陽のささない林の中の空気は日に日に凍えていくのだ



秋の深まりがじりじりとして

なかなか出掛けていくタイミングを取れずにいたら

もう11月も末だ

先日まで、今年の秋は来ないのか、なんてほざいてた口が

いやーもう冬だね、なんて抜かすくらい

秋が急激に深まった

だからいま思えば11月の上旬に飛騨に走りに行ったのは正解だった

件の六厩でも走りに出かけた次の日から最低気温が0℃前後まで下がっていたので

もう入れなくなっていたのかもしれない

ちなみに六厩の昨日(11/24)の最低気温は―5.0℃

10時を過ぎてもまだ3.0℃には届いていなかった

もう今年は山へ踏み込むのは終わりだね



あまり天気ばかり気にかける訳にもいかないので

風が強い日だったけどオートバイを走らせた

風のせいか雲ひとつなく真っ青な空が広がる

今日は国道257と151に挟まれた山の中を走りに行く

北限は何となく国道418辺りと決めて

まずは新城から寒狭川(豊川の通称)をたどって田口まで踏み込んだ

田口の周囲はいま設楽ダムの工事で「ひっちゃかめっちゃか」だ

特に北側はダムに水没するので道路の付け替え工事が急ピッチで進む

国道、県道の付け替えは現在6割ほどの進捗で

11/23にはいよいよ本体着工されるようだ

完成予定は当初の計画より8年遅れて2034年

もうボクは生きていられるかどうかわからない

余談だけど歳を取るとこの完成計画とか達成計画とか

流石に若いころとは違う思いを抱くようになる

リニアの完成なんてもう年寄りにはあってないようなものだ

2034年

今からちょうど10年後だ

満水の設楽ダムを付け替えられた国道をオートバイで走り眺められるだろうか



田口の中心部で国道473号へ入りすぐに分岐する県道へ進む

県道427号線 坂宇場津具設楽線 

一本東側の県道10号設楽根羽線があるので「わざわざ」でなければ用もなく走らない道

いやいや途中で分岐して振草へ行くんですよ

なんてのもそもそも国道473を使うだろう

それくらい余所者には縁のないルートだ

それをあえて今日は行く

取り付きからすでに怪しい

幅員は1車線、離合はおよそ困難

すぐに家並みは途絶え、スギの林に突入する

スギは皆20メートルくらいはありそうで林は鬱蒼として中は真っ暗だ

おまけに少しでも風に吹かれるとスギが枯れた枝をボトボトと落とす

誰かかたずけてよ、とほざきながら進む、濡れてないだけマシ



特に面白いこともなく長江の集落にでる

ここにあった長江城という砦はなんと鎌倉時代に設けられたそうだ

そもそもこの辺りには秋葉詣に行き来する街道があった

いまでこそこんな陸の孤島だが昔からこの辺りには人の気配があったのだ

遠州へ行った時にも書いたけど

この三河、遠州というところは西の徳川、織田、東の今川、そして北の武田と

なかなかに物騒な地域だったのだ

砦も多く、人の行き来は盛んだった

山村と云っても沢沿いに集落が伸びる場所は多いが

奥三河は沢沿いだけでなく、深い山中にも多くの集落がある

ここ長江も戸数こそ少ないがそんな山の集落

南の斜面には立派な棚田がある



この辺りの棚田は、よくある斜面に石を積んだような簡素なものでなく

城壁と云っては云い過ぎだがしっかりとした石組みがされていて

遠目に見ると城郭の様にさえ見える

けれど今では人の気配はなく、サルの集団が集落を闊歩していた(大丈夫か)



長江から先へ進み、程なく唐突に分岐が現れる

まっすぐ行けば根羽を経由して遠州街道へ至る

ボクはさっき云ったとおり振草渓谷へ行くためここを分岐した

こちらは番号が変わって県道431号線 八橋中設楽線

同じようにスギが鬱蒼と茂り、路面には枯れ枝が散乱する

おまけに工事に向かう荒っぽい運転の輩の通勤ラッシュにあってややあぶない

ずいぶん冷え込むようになったとはいえこの辺りまで来てもまだ紅葉はおそい

山の中の集落を繋ぐいわばこの生活道路

くねくねくねくねとちっとも進まなくて振草で国道に合流するのに小1時間もかかった

もちろん楽しかったのは云うまでもないがね



紅葉狩りのクルマで国道はのろのろ

太和金トンネルの先を折れて豊根の中心部へ向かう

ダムのお金で潤う豊根村は役場がおしゃれでキレイ

屋根付きの広場(ゲートボール場かな)もある、屋根付きだよ

役場を横目に見て、その手前を県道74号線へ折れ、信州新野へ向かう

県道74号線は豊根村役場(というか大入川)を挟んで南北に走っているが

この北側部分は狭溢部分もあるけど整備が進んでいて比較的走りやすい道路だ

山村の小さな集落をいくつも繋いでいるのは一緒だが

こちらは開けた場所が多くて明るく空も近い

以前ここを走ったのはいつだったか忘れるくらい前だけど

その時とあまり変わっていないように感じた

高度がどんどん上がるのでそれにつれて紅葉が進んでいく

風がさらに強くなってきて枯れ葉が激しく散っていた





新野峠の先で国道に合流して道の駅へ下って行く

ちょっと前まではここは狭いクネクネ国道だったんだよ

いまでは真っすぐの下り坂

道の駅でシッコしてすぐ発車

売木峠を越えて平谷へ向かう

トンネル一発で越える峠は本当につまらないよね

むかーしむかしはね、売木峠なんてめんどくさい峠だったんだよ

でも本来、峠とは苦労して越えるもんだ

トンネルが出来ると旧道になった峠越えのルートはすぐに荒れてしまう

土砂が崩れたり路盤が落ちたりすればそのまま廃道の可能性もある

でもね、道路だからね

アトラクションじゃなくてインフラだ

安全と効率



でもこのルート、秋は格別かもしれない

初めてこの季節に走ったけどとてもきれいだった

交通量はそこそこあるけどほとんどの区間で

センターラインは破線なので追い越しが可能だ





国道で根羽まで下りて県道10号線へ向かう(まだまだ行くよ!)

ここまでほとんど走りづめで3時間くらい

そろそろおなかが空いたけど

良さそうな青空食堂が見つからない

津具の道の駅辺りに小さな園地があったのでそこで休むことにした



川べりで紅葉もきれいないい場所だけどやっぱり風が強い

河原のススキたちが風に吹かれて激しくうねり

まるで前衛的なコンテポラリーダンスを見せられているようだった

天候に左右されるのはアウトドアの醍醐味

なんだけどね

風でごみが飛ぶのよ

立つたびに椅子はひっくり返るし

湯を沸かすにも時間がかかって燃料はムダにかかるし…

え?

はい、楽しいですよ



今年の秋はあまり遠乗りできなかったけど

奥三河の山の中はこうして県道を繋いで走るだけでも十分楽しませてくれる

地元だから贔屓目も入るのだろうけど

特に目立つものがないから余計に美しく素朴に染みてくるみたいだ

あんまり背伸びして遠く異郷のことばかり気にしてないで

もっと自分の周囲に目を向けてみよう

サクラもモミジも君のすぐそばにあって美しく

そんな四季の移ろいを慈しむことこそが人生の楽しみなのだ

名所旧跡を一巡りしたら地図(ナビ)を捨て

ぎゅっと自分の掌に握りしめているはずの、

そーっと自分の胸の内に秘められているはずの、

そんな自分だけの美しさを探す旅へ出かけようよ


 



台風崩れの低気圧が通過していくといよいよ秋も深まって、

となんとなく誰もが考えていたはずだが

今年はちょいと様子が違っていて

なかなか寒さも極まっていかないようだ

それでも朝晩はそれなりに冷え込むので

着るモノの選択がむずかしーねー

アメダスの岐阜県の観測点の中では1,2を争う低気温の「六厩」地区

きのう(11/4)の最低気温は1.7℃だったが

最高気温は16.2℃もあった

そして今朝(11/5)

出かける前に調べた最低気温はなんと6.7℃だった

そうなるといらぬ心配も出てくるわけだ

途中で通過する「せせらぎ街道」の紅葉が終わってないかも、なので

平日ではあるが相当な交通量と人手なのかもしれぬ

まあ、それ以外のルートは多分カーナビでは対応しないような道ばかりなので

ノロノロの観光地ドライバーに閉口させられたり

何台も連ねて走るバイクの群れを追い越すのに手間取る苦労も少ないだろう

個人的な趣味なのでどうでも良いが

毎年、紅葉の喧騒が終わって祭りの後のようなせせらぎ街道に走りに行くのが楽しみだ

道路の凍結を気にかけながら冷たい空気の中

今年一年をかみしめて最高のワインディングを走りたいのだ



結局迷いに迷って今回も相当着込んで出かけることにした

暑いなら脱げばいいが

寒くても着るものがないと多分死ぬ

ウルトラライトダウンベストにウルトラライトダウンジャケットを重なる

ついでにネックウォーマーも付け万全

やや雲が多めの早朝出発した

通勤の車列を尻目に高速(道路上)の人となる

ここまでやれば流石にまったく寒くない(よき)



毎年恒例の枯れ果てたせせらぎ街道へ行くついでに

ひるがのの方にある「やまびこロード」へ久しぶりに行ってみようかと

いつものように道路地図を開いていた時に

面白そうなルートを見つけてしまってついでに全部回って来ようという算段だ

いつも使っているのは昭文社のマックスマップル中部道路地図だ

ツーリングマップルは小さい割に余計な(お節介な)情報が多くて見づらい

A5版で14万分の1の縮尺というのはジジイには正直きつい

北海道版の20万分の1はさすがに内容がスカスカであれはいけるのだが

マックスマップルの見開きA3版で縮尺10万分の1はとても良い

グーグルマップも毎日眺めているけど

それ以上にマックスマップルはヒマがあるとよく見てる気がする



地図では大抵、あまりよく考えずに(というか膨大な距離なので)

道路を路線名で色分けしてしまっていることが多い

国道や県道以外はよっぽどのことがない限り表記に差別化はされない

ただし地図の良いところは正にそこにあって

この色がついてない道路を見つけて

そのルート上に長いトンネルがあれば間違いなくそれは快走路

それともうひとつ地方行政がルートに名づけをしてるところも間違いなく快走路

残念ながらマップルでは(多分)その表記にルール化がなされてなく

正直地図上で識別するのはややむずかしい

かつては国土交通省の中部地方整備局が

「道路の走りやすさマップ」というwebサイトを作っていて一つの目安になっていたが

それも現在のグーグルマップの航空写真図やストリートビューにはかなわないね

しかもグーグルマップでは一定の拡大以上で

こういった呼び名の表記もされているのでルート開拓が楽しい

ただし縮尺を上げていくと表示が略されていくあの方式は

PCやカーナビのマップを使いづらく分かりにくくしている原因と思われるし

ビジネスがらみの無駄な情報や

マニアの自己顕示欲でしかない要らない情報が多いのも問題だ

ツーリングマップルと連携しているスマホアプリ(Route)はその点秀逸

紙版に載っている情報はどの拡大縮小率でもすべてが表示され

さらに拡大するとグーグルマップに切り替わる

PC版もぜひ出して欲しい(有料でも価値がある)



話が逸れたが「やまびこロード」のつながりを確認している時に

美濃の山の中を横切るトンネルのつながりを見つけてしまった

飛騨の金山と美並を繋いでいるようなルートだが

マックスマップルでもツーリングマップルでも色付けのない道路

もちろん道路番号はない

ツーリングマップルにはうっすらと「美濃東部農道」とある

でた!農道!

地図を眺めてみると確かに南北にはいくつも県道があるが

東西を結ぶルートは乏しいようだ

すなわち南北は川沿いに谷を進めるが

東西はそれを隔てる峠をいくつも越える必要があるからだろう

飛騨へ行くにはちとルート的なつながりに無理が生じるが

「道」こそが走る理由なので今回は行ってみることにした



東海環状道の内回り

中央道とのジャンクションを越えるとさすがにちょっと寒い

トンネルを抜けるたびに寒さの段階が上がっていく感じだ

予定では東海北陸道へ乗り移ってぎふ大和まで行き

その先やまびこロードで荘川辺りへ抜けるつもりだった

けれど走りながら「高速おもろないなー」と「農道どんなかなー」ばかり考えていたせいか

だいぶ手前の富加関ICで早々に高速を離脱してしまった

というか当初の予定の逆コースになった感じだ

美濃東部農道はせせらぎ街道からの帰りに明宝から和良、金山と抜け

富加関へ抜けるルートとして無理矢理組み込んでいた

まあいい、予定はあくまで予定

穏やかな津保川をたどって県道を北上する



途中、上之保に入って津保川を追って県道63号へ入る

このまま進むと美濃東部農道に合流するはずだ

広域農道へ近づくとこの県道もどんどん道路の規格が上がってきて期待が高まる

美濃東部広域農道は美並から金山、白川を経て恵那へ至る

途中多くの県道や国道に合流しながら全長は80kmにもおよぶ

(正確には78km、農道部はそのうち23km、トンネル6本)



深い山の中に立派な案内標識

ただしその先の取り付き部はかなり唐突(小さな案内はある)な交差点

農道なので勾配はきついが想像どおりのナイスルートだった

尾根筋をトンネルで貫き、谷筋は高い橋でひと跨ぎにして行く

ちょっとミニチュア版の現代の山岳高速道路のようだ

この日は暖かくて凍結の心配が皆無だったのでとても楽しく走れた

金山の町で国道に合流しながら

和良を目指す

途中いくつか道の駅があったけどみんな定休日(火曜日)だった

トイレだけは開けてくれてるからいいんだけどね



和良の道の駅辺りで県道329号線へ入る

ここには何の案内もないが明宝、高山方面へ抜けるには使えるルートなのだ

「こもれびロード」とネーミングもされていて現に看板もある



途中未整備箇所(とはいえもちろん舗装路)は少しあるがおおむね快走路

明宝へつながる辺りの峠もきれいなトンネルが出来て

あっという間にせせらぎ街道に出てしまう



明宝近辺の紅葉はまだ半ばで、予想どおりクルマが多い

中央の黄線が途切れるのを待ってどんどん前へ出るが正直キリがない

なんであんなにゆっくり走るのか

自由だと云えばそうだしその人の都合もあろうかと思うが

後ろに5台も連ねて少しも譲ろうとしないのは逆に無神経じゃない

こっちはどんなに勾配がきつくてもいつでも追い越しがかけられるパワーだから

一気に追い越しを終えられるけどクルマはむずかしいだろうね、譲ってくれないと



いつも立ち寄るチェーン着脱スペースの石碑の横にすべりこむ

ことしは久しぶりに色づいた葉っぱが残るせせらぎ街道だ

途中の気温計も13℃の表示で拍子抜けの暖かさ

まあよい

湯でも沸かして昼にするか



隣を流れるせせらぎの音が絶え間なく

石碑に添えられたカエデが盛んに葉っぱを降らせる

もうすぐ今年も終わりだなー

仕事を辞めて3年がたったなー

今年は北海道へも行ったなー

あ、そうそうSR400買っちまった

などなど

1時間ものんびりしてしまったよ



清見へ下りて、国道を西へとる

道の駅でどぶろくとほう葉味噌をおみやげに買った

高速が繋がってからこの国道(158号線)はずいぶん空いた

でもね間違いなく高速より楽しい

少し遠回りする(トンネルズドーンじゃないもんね)からちょっと時間かかるけど

高速で行くのとほとんど変わらない

高山から富山へ抜けるのもこのまま御母衣、白川郷を抜けていくのは高速と同じルートで

オートバイのツーリングならここで高速は絶対つまらない

ワープするなら高速もいいけどこのルートはツーリングの目的になるようなところだ

砺波平野の西に出るので金沢方面に都合がいい

福光からの国道304号線を使えばそれは峠越えの快走路

なんだか関係ない話になったけど、でもあの峠越えは良かったなー



荘川に出てここから山へ分け入る

県道425号線でやまびこロードへ繋ぐのだ

グーグルマップでは通行止めになっていたけどJARTICのHPは問題なかった

県道の入口にも何の表示もないので大丈夫だろうとそのまま進んだ

民家はすぐに途切れ道は心細く山の中へ

かつての一色国際スキー場のゲレンデを過ぎると

整備もほとんどされていないような路面状況になる

大きな穴ぼこにフロントを落とさないように注意しながら慎重に進む

それと同時に森の深さに心がざわめいていることに気付く

リスが横切りシカが道路上でたむろする

この県道は峠を挟んで前後にキャンプ場があるが

その間はケモノたちの住処みたいだ

まだ当初の目的のひとつだったやまびこロードには届いていないけど

なんだかもうどうでも良くなってしまったよ



ここすごくいい

最近年を喰ったせいか、うれしくなるとなぜか「感謝」の気持ちになってしまう

北海道行ったときに自覚したんだけど

今日もダメだ

深い森の中を危うく繋がるこの県道におっさんはなんだかすごく感謝したのだよ

ほんと、ありがとう