ごきげんよう、まんきんたんです。
鹿児島かどこかの民家の中に、ツバメが巣作りをしているというニュースを見た。
「うわ!これは迷惑だな」という人がほとんどだと思うけど、まんきんたんはちょっとうらやましいと思った。
うちにも来てくれたら迎えてあげるのに…って。
…なんてこと言いながら、我が家の照明は↓こういうシーリングライトなんだけどね。
リビングだけは長時間いる場所だから白熱電球のほうがいいと思って↓シャンデリアタイプにしている。
だから、ここに巣作りしてくれる可能性はあるんだけど、もしもだよ、もしも本当に巣作りしたら、やっぱり困ると思うんだよねー。
ツバメの営巣から抱卵、子育ての期間は、長くても三カ月。
その間だけの辛抱だからとはいえ、糞害もあるし、窓を開けっ放しにしておかなくてはいけない。
そんなことも考えると、この鹿児島の人はすごいなーと感心してしまうのだ。
だからといって決してバカだなーとは思わない。
なぜなら、この人は説明できない「メリット」を知っているからだと思うんだよね。
だいたい鳥に「益鳥」と「害鳥」ってあるでしょ?
虫にも「益虫」と「害虫」ってある。
でも、本当は鳥にも虫にもそんな分類はなくて、「益」か「害」かというのは人間主体のあさはかな考えで決められたものなんだ。
それぞれに「益(メリット)」な部分もあれば「害(デメリット)」な部分もある。
そして、メリットが大きいほど、逆のデメリットも大きいはずなんだ。
だからデメリットだけ考えて排除するというのは、大きなメリットを捨てているとも考えられるんだね。
今年、うちの近くで遭遇したキジ。
これって日本の国鳥だよね。
だけどさっきの分類では「害鳥」なんだ。
理由は農作物を荒すから。
多くの野鳥は法律で保護されているのに、「害鳥」に指定されると狩猟対象になって、殺しても食べても構わないんだ。
国鳥がこんなに大切にされていない国は日本だけ。
実際には子育てをするキジのメスは愛情深く、草刈りの時期に卵やヒナを守って雑草もろとも草刈り機の犠牲になってしまうというエピソードもよく聞く。
つまり、こんなに困る生きものだから始末しようという時に、失うメリットはなんだろうということもよく考えたほうがいいということ。
考えてもわからなかったら、実際にわかっていないことは多いのだから、殺生だけはやめておこう。(命をいただくのは殺生ではない)
ホタルの話の時に、ぜひ紹介しようと思っていた松山市の石橋道則さんの逸話にこんなのがあるんだ。
以下、『広がれ!ふるさと松山の心』松山市教育研修センター事務所刊より要約引用させてもらう。
昔から吉藤川は清流で、小魚が泳ぎ、初夏にはホタルが乱舞していた川でした。
しかし、昭和30年代にかんきつブームが起こり、みかん畑が増えました。
農家は少しでも収穫量をあげようと、害虫駆除のために畑に農薬をまいたのです。
使っているうちに虫たちには農薬の免疫ができて、さらに強い農薬をまかなければいけないという悪循環になっていました。
やがて川は農薬で汚染され、その結果、徐々に生きものたちは姿を消し、ホタルも見られなくなりました。
これはいかんと立ち上がったのが石橋道則さんです。
ホタルの舞うきれいな環境を未来の子どもたちに残したいと考え、まず始めたのが川掃除。
壊れた自転車やバイクを片付けながら黙々と川の清掃を行いました。
しかし、これではいたちごっこ、やがて周囲の家を訪れて、川へのごみ捨てや畑の農薬を減らすようにお願いをして回ったのです。
農家の人たちは自分の生活のことだけを考え、賛同してくれませんでした。
このあたりのお話は映画『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんと全く同じですね。
奇跡のリンゴはこんなお話です。
話を戻すと、それでも石橋さんはあきらめることなく、説得と同時にホタルの研究を始めたのです。
そして、行動を始めてから10年後、ようやくホタルが戻り始めたのです。
そのホタルを見た時、石橋さんは、「ようもんてくれたのう」と涙を流して喜んだといいます。
石橋さんの尊い行いは後世で認められました。
今では農薬の害は人間にそのまま戻ってくるということが明らかになり、除草剤の危険性も叫ばれるようになりましたからね。
石橋道則の志は息子さんに継がれ、地区の環境をまちぐるみで守る活動は今も続いています。
そして、地元の鴨川中学では特にずっと語り継がれているお話になっています。
わたしたちは「生きものと共存している」ということを、もっと学ばねばいけません。
何が大切か、人の価値観はそれぞれですが、自然の摂理を知っているのと知らないのとでは、行動が全く異なってくるはずです。
外は雨もやんでるのかな。
では、良い週末をお過ごしください!