312.愛は勝つ/KAN | メイン・ストリートのならず者season2

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33年前(1987年)の本日4月25日、シンガーソングライターのKANが、シングル「テレビの中に」及び同タイトルのアルバムで、レコード・デビューを飾った。

もっとも、この曲とアルバムはヒットせず、実は俺も耳にしたことがない。

彼の名が知られることになったのは、4年後の1991年にリリースされた、8枚目のシングル「愛は勝つ」の大ヒットによる。

リリースされてから30年近く経った今も、多くの人の耳に馴染み、歌い継がれているこの曲は、J-POPのスタンダード・ナンバーと言ってよいだろう。

 

しかし、元々この曲は、前年(1990年)にリリースされたアルバム「野球選手が夢だった。」の収録曲の一曲に過ぎなかった。

大阪のFM局のFM802が、この曲をヘビーローテーションに選び、番組を問わず流しまくったことをきっかけに話題を呼び、シングル・カットが決まった。

後にフジテレビ系の「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の挿入歌に使用されたことで、大きな反響を呼び、大ヒットに繋がったのである。

「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」のプロデューサーの小畑芳和氏によれば、これからはピアノを弾く男が流行ると思っていたことと、「必ず最後に愛は勝つ」というストレートな歌詞が吉田拓郎に通じるものがあると感じたことから、この曲を番組に使うことに決めたのだとか。

 

心配ないからね 君の勇気が

誰かにとどく 明日はきっとある

どんなに困難で くじけそうでも

信じることさ 必ず最後に愛は勝つ

 

そう、このストレートなメッセージが貫かれた歌詞が、この曲の最大の成功の要因であり、魅力なのだと思う。

男性の友人からの恋愛相談を受ける気になれず、半ば投げやりに「大丈夫、愛は勝つよ」と発言したことから、この歌詞が生まれたのだという。

ストレートな歌詞でありながら、抽象的な表現が多いのは、そのためなのかもしれない。

一方、決まったリズムパターンや、(イントロを除けば)終始入り続けるコーラスなど、楽曲作成に当たっては、彼が敬愛するビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」をモチーフにしている。

曲だけでなく、うまくいく恋愛の結末なんかから想像するに、歌詞も「アップタウン・ガール」の影響を受けているのかも?

俺も「アップタウン・ガール」は好きな曲の一つで、以前この曲紹介でも取り上げているぐらいだから、俺がこの曲を気に入っているのも、そこに起因しているのかもしれないな。