元村有希子・毎日新聞社科学環境部長 Photo via mainichi. jp
【講演】 元村有希子(毎日新聞社科学環境部長)
演題:「科学のミカタ」
日時:平成30年6月1日(金) 18:30~20:00
場所:福岡県立小倉高等学校百周年記念明陵会館
この元村さんの母校における講演は小倉高等学校関係者の現役生徒・同窓生まして本人には誠にしあわせな時間であると思う。母校でのその卒業生の講演が特別の意味を持つことは私がここにあらためて書かないでもいいだろう。
元村さんは国語の先生の資格取得者だから母校の教壇で古文の「枕草子」を講じていたかもしれない。末娘が地元に残っていたかもしれない。そうであれば彼女とTW交換で知り合うこともなかったろう。スタップ細胞が騒がしくなっていたころ私は彼女にTWしそのRPは毎日新聞の信頼度を高めた。魅力的な編集委員になった。
いつものことながら、私の本稿に少し特別な感情が入っているようであれば、読者にはさらっと読んでいただけるようにお願いしたいと思う。
元村さんは本書で「実は高校時代、古文の女性教師から『元村さんは清少納言みたいよ』と言われたことがある」。本人の説明はお読みになっての通りだが、私が思うのは古文の先生は、おそらく「才女である」と言いたかったのではないだろうか。私が清少納言から受ける印象でもある。
ここで元村さんが本書を清少納言『枕草子』から章立てしているので私の所感を少し記してみたい。私の参考書を明らかにしておきたい。鈴木一雄著『精講古典国語』(学生社)である。鈴木先生は「大学受験ラジオ講座」(旺文社、文化放送)の講師をされ、忘れ難い思い出もある。
少納言は資格としては高位ではない。清少納言はお后・定子の秘書官と言えるのではないか。少納言の上の参議が今で言うと普通の閣僚級で中納言が主要閣僚といえるのではないか。このことは私の見方である。
鈴木先生は、『枕草子』の文章は、どこまでも的確であり、無駄のない文章で写しきるところに特色があるわけです。清少納言は、・・父元輔は梨壺の五人のひとりであり、『後撰集』撰者のひとりでもあります。彼女は“和歌の家のむすめ”であることを強く意識していました。(鈴木、前掲書)
ここまでは、参考である。鈴木先生は、『枕草子』の文章には三つの型があり、その配列こそバラバラですが整理すると三つの型がある。①類聚(るいしゆう)章段、②日記的章段、③随想的章段と分類するのがふつうです。(鈴木、前掲書)
元村さんが本書を『科学のミカタ』にしたことは、ジャーナリストとしての「ミカタ」からは私は彼女の科学の「見方」を読み取りたいと考える。
「彼女はよく見る人です。するどい感性にめぐまれ、よく見、よく感じ、そしてよく表現しました」(鈴木、前掲書)。
元村さんも・・。
(ひらた こうじ)<了>
Photo via @chibigenome
《拙稿ameblo》「元村有希子著『科学のミカタ』(毎日新聞出版)を読んで」
https://ameblo.jp/excomadvisor0011kh/entry-12366912126.html