「米朝首脳会談の行方」 | ExcomAdvisorのブログ

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本稿は私・平田幸治の個人の意見・見解等を綴ったものです。

時代の風:米朝首脳会談の行方 対話継続合意までか=ビル・エモット 英誌「エコノミスト」元編集長 - 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180520/ddm/002/070/044000c

 

  毎日新聞2018年5月20日2面『時代の風』にビル・エモット元英エコノミスト誌編集長の「米朝首脳会談の行方」と題した論評が掲載されている。リンクしたが全文お読みになれないことはご容赦いただきたい。

 

  エモット氏は私の住む岡山市の就実大学客員教授でもあり、その講演を聴く機会も年数回あり和英の著書にも接している。

 

  その毎日新聞のコラムでエモット氏の「米朝首脳会談の行方」に関する見解を初めて読んだので私の所感を若干記してみたいと思う。あくまで推論である。

 

  この会談は首脳二人がシンガポールの会場となるホテルのテーブルに着いたとしてそれが前提だが、会談後に席を立つまでは会談成立の結論はわからない。私がよく言う「愛の底にある利を直視せよ」との中国の古典の教えの大意を求めるまでもなく、相互のメリットがなければ成立は難しい。

 

  この会談日程(2018年6月12日)が近づくまでに、そのメリットに係るアクションやリップサービスはあったが、米の北朝鮮の体制保障や北朝鮮の米選挙への配意の「政治ショー」がそう長く続くわけではあるまい。

 

  確かに、トランプ米大統領は、同盟国の気分を多少害してでもトップダウン手法での取引の決断を考慮に入れたいだろうが国民の支持率の上昇を配意しなければならない。政策形成過程に関与する安全保障を熟知する閣僚・側近がいる。

 

  だが会談で話し合えば時間を経た後の実行の期待感の約束はあっても不自然ではなかろう。例えば、すぐにどちらかが表にすれば、どちらかが否定するという性格の二者の「取引」も考えられよう。あくまで私的な「米朝安全保障合意」かもしれない。

  

  このことはエモット氏の毎日新聞コラムの結語である「・・双方にとって外交上の得点にはならないが、最も可能性があるのは将来的な対話のプロセスの合意である」ということとあまり違いはなかろう。むろん米国は北朝鮮への制約をすることは忘れてないないだろう。

 

  習近平中国国家主席とトランプ米大統領が報道官に伝えず電話会談をすることもあろう。

 

  プライオリティは北朝鮮の核ミサイル保持の状況にある。状況がすべての決定を支配する。その中で人間的要素は排除できない。

 (ひらた こうじ)<了>

 

《追記》

1.「敵意むき出し、いま会うのは不適当 トランプ氏書簡全文:朝日新聞デジタル 」

https://www.asahi.com/articles/ASL5S7WC2L5SUHBI054.html

 

2.NYT Trump Pulls Out of North Korea Summit Meeting with Kim Jong-un

https://nyti.ms/2LqWPOI