元村有希子・毎日新聞科学環境部長
Photo via @chibigenome
本稿は私が@AmazonJP カスタマーレビューに投稿したものをそのまま転載したものです。
「元村有希子著『科学のミカタ』(毎日新聞出版)を読んで」
元村は科学記者になってこのかた「最近は科学の進み方が早すぎて、とまどいを覚える時もある」と記す。これは科学に人間の哲学が遅いということかもしれない。彼女が述べたゲノム編集技術、AI、気候変動まで人類の生活の営みを一変さすものである。
科学発明・発見の一つを取り出しても「学術研究」ならさしつかえないといえるものばかりではない。科学技術が公開されれば市場性は高まる方向に進もう。
ツイ友の内田麻理香・東京大学特任講師が2018年1月28日毎日新聞書評に書いた本堂・平田・尾内・中島編『科学の不定性と社会―現代の科学リテラシー』(信山社、2017年)を評者は私に教科書だからと読書を勧めた。
該書を読み、この元村有希子・毎日新聞科学環境部長の新刊『科学のミカタ』に目を通すと専門科学者の議論に国民一般の立場で参加できるリテラシーがカレント・トピックスと共にコンデンスされた多くが書かれていると思う。
自然災害の2017年の九州北部豪雨について読めばいかに防災と減災の重要性がわかる。
私の所感が入るが、私はジャーナリストが取材で具体的な事実をいかに多く書きそれを思想で判断することができるかがこれからの未来社会を生きる人間にとって重要なことだと考えている。
元村は、それを科学の「懐疑性」として本書の「おわりに」にオルダス・ハクスリー著『すばらしい新世界』のストーリーでこれからの激変する科学の進展する世界を予見した。
元村は昨年春に実父をがんで亡くした後、自分ががんで闘病した。読みながらツイ友にいとしさも感じた。
科学がミカタにより変容することなど多くを学んだ。大方にお読みいただきたいと思う。(ひらた こうじ)<了>
2018年10月3日ノーベル賞(化学賞)発表前にワクワクする元村部長。 Photo via @chibigenome
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