No Pain, No Gain? | HIDE

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アメリカ サンフランシスコ在住。ベースボールとサッカー好き。誰が何と言おうとOakland A'sとSan Jose Earthquakesの大ファン。趣味:走ること、自転車、美味しいものを食べること。特にラーメンが大好き。乙女座B型。やはりちょっと変わっている....らしい。

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数ヶ月前、私のワイフは無謀にも走った経験がなかったにもかかわらず、チャリティ枠でハーフマラソンに申し込み、トレーニングをちょっとだけ積んでいました(ウォーキング参加ですけど)。しかし、そのためのトレーニングにはついていけない、せっかく買ったGPSウォッチは速攻でトレーニング中に失くし(どうやって?と突っ込みたくなりますが…)、風邪も引き、とうとう諦めてしまいました。もうちょっと頑張るかなと思ったんですが、彼女にとってはこのハーフマラソンは黒歴史状態になってしまったんですよね。彼女の場合、初めからいろんな意味でハードル高過ぎたと思います。

前回のブログで言いました通り、私は本来トレーニングはその人の年齢・経験に応じたメニューを組むものだと考えています。No Pain, No Gain... 苦しまなかったら成果は出ない…練習をいっぱいしなければ成果が出ない…多くの人たちがこの神話に惑わされ、いつの間にかトレーニングが苦痛の対象に陥っている可能性があります。私も以前はそう信じていました。でも…ことわざで好きこそ物の上手なれとあるように、楽しくなかったらやっぱり上達しないんですよね。彼女の場合も、その楽しさなしにトレーニングがとても苦痛だったように思えます。

これも前にも言いました通り、私はランニングコーチの資格を持っています。コーチングに対するいろいろな疑問から、また、今まで高校の頃も含めてまともなランニングコーチに出会えなかった経験から、それなら自分で知識と技術を身につけ極めようと思ったのが、そもそもランニングコーチの資格を取得したきっかけです。

私がコーチとしてどうしたらいいか考えました………ほんの数秒ですけど(笑)。いや、数秒もいらないか…考えるまでもないですね。走る以前の問題として、何か体を動かすことが楽しいと思ってもらえることが最優先です。

私がとりあえず彼女のために設定した長期的なゴールは5キロレースで完走すること…でも彼女には言ってません。言えば絶対苦痛になってしまうからです。それは私の胸の内にしまっておくとして、私が彼女に伝えたのは、短期的なゴール…週3回私といっしょに30分歩くことです。それだけ? それだけです。これでも苦痛と思ってしまうかもしれませんが、次もやりたいと思わせるぐらい物足りないメニューにしています。

よく走るのははじめてと言う人で、1年2年も経たないうちに速いペースで走れる人がいます。こういう人は意外と気がつかないだけで基礎が出来ているケースが多いんですよね。例えば、定期的に歩いていたり、ハイキングに行ったり…また、日本で都心部に住んでいる人たちは特にそうですが、満員の通勤電車で立っていたり、通勤で家や会社と駅の間を歩く機会が多かったり、こういう人たちは普段の生活ですでに基礎が出来ているんです。したがって、走るのははじめてかもしれませんが、それこそ満を持してランニングに移行したというのが正しい言い方だと思います。

ところが私のワイフの場合、そういう機会もないような状態だったので、まず体を動かし、有酸素運動をさせるように導くことが最優先なんです。また、いっしょに歩くことで話しますから、会話ペースを保つことができ、有酸素運動に必要なペースに導くことが可能です。もちろん、そんなことは彼女には言いません。息の上がり具合を見ながら、意識的に私がペースを調整してます。そういう風にあくまで生活の一部として意識せずに歩かせるように心掛けています。

もう一つ大事なことですが、トレーニングでは距離でメニューを決めない方がいいです。その代わり、時間ですね。なぜなら距離だとその距離を達成しようとどうしても体に無理をしてしまい、その無理から苦痛に感じる可能性が高く、また、体のバランスを崩し、怪我をする可能性が高いです。それよりは時間で区切った方が距離とペースの呪縛から解放され、自然体で歩くことが可能です。

さて、どうなるかな…ワイフを例に話しましたが、これって誰でも出来るんですよ。No Pain, No Gainはウソ…楽しんで下さいね。