食わず嫌い | HIDE

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アメリカ サンフランシスコ在住。ベースボールとサッカー好き。誰が何と言おうとOakland A'sとSan Jose Earthquakesの大ファン。趣味:走ること、自転車、美味しいものを食べること。特にラーメンが大好き。乙女座B型。やはりちょっと変わっている....らしい。

私がアメリカに来る直前、日本にはまだJリーグというものは存在していなく、プロスポーツと言えばプロ野球…それが定番でした。そういう環境では私にとってはサッカーは未知の世界で、アメリカでも野球だけがスポーツという印象でした。それに輪をかけたのが野茂投手のアメリカでの活躍。ますます野球一辺倒になったのだと思います。

アメリカに他のプロスポーツがあることはもちろん知っていました。アメフト、バスケ、アイスホッケー…ただ、これらのスポーツはチケット代が高く、どうしても自分の手の届く範囲内ではなかったので、自然と足が向かなかった理由もあります。

私はスポーツ写真をよく撮りますが、常々、野球だけでなく他のスポーツの写真も撮りたいと思っていました。が、いかんせん上記の理由でなかなかその機会もなかったです。

でも、3年前だったかな…一度だけアメフトの新興リーグのチケットが手頃な値段だったので、チケットを購入し、いざ来週に行くぞと思った矢先、日本の母が急病で倒れ、チケットを泣く泣くワイフのいとこにあげて日本に行かざるをえなくなり、私の計画がおじゃんになってしまいました。

でも、それでも何とか野球以外のスポーツに行って、写真を撮りたいという希望はずっと捨てずにいたところ、2年前にサッカーに出会いました。

サッカーのチケットは野球よりも断然安いです。それに、仮に1番安い席でも野球のようにフィールドが固定されてませんから、どの席でも楽しめる利点があり、それは写真でも同じことです。始めは試しにサッカーで写真を撮りたいと思っていたのですが、日増しにサッカーの面白さにはまってしまいました。もう、興奮度が違いますよね。

私がサッカーに触れて思ったことはアメリカ人ってホントに保守的なんだなということです。新聞のスポーツの紙面を見てもサッカーは未だにその他スポーツ扱いです。W杯は受け入れるのに、国内サッカーはアメリカの4大スポーツ(野球、アメフト、バスケ、アイスホッケー)の範ちゅうから外れているので、受け入れようとはしないんですよね。それは、私のOakland A'sの友達でも同じことです。彼らにとって野球が全てで、他のスポーツは絶対受け入れたくないんですよね。でも、私からしたら、食わず嫌いを止めてもっと視野を広くしたら、もっと楽しめるのに…と冷やかな目で友達を見ているもう一人の自分があります…

サッカーと野球…私はここに違う自分を重ね合わせています。私はラテンミュージックが好きです。もうかれこれ10年以上はまってます。アメリカの曲にはない独特の音楽の世界があるんですよね。それに、声がとてもいい。アメリカ人と比べものにならないくらいいい声を持っています。音楽業界では、ヨーロッパや南米に行けば、アメリカの曲も聴けますが、それとは違う確固たる市場があることをご存知ですか?スペイン語の曲はアメリカでのスパニッシュ市場を除いてはマイナーですが、スペイン語のシンガーはイタリア語で歌うことも多く、スペイン、イタリア、中米、南米とグローバルな同一のミュージック市場がここに存在しています。それに比べ、今言ったように、確かにヨーロッパや南米でもアメリカの曲を聴くことが出来ます。でも、このラテン系のグローバル市場に対するにはまだまだ弱いと私は思っています。これって言い換えれば、サッカーと野球の関係に似てませんか?野球ってどんなに頑張ったところでアメリカのスポーツ…もちろん、中南米でもやってますが、そんなに大きい市場ではないと思います。言ってみれば、保守的な国での保守的なスポーツ…ところが、サッカーは世界中の多くの国でやっているグローバルなスポーツ。グローバルになれるにはそれなりの理由があると思いますが、1番の要因は誰が見ても楽しめる。これがグローバルになれる要素ではないかと思います。

このことを悟った私は、自分のfacebook上、意図的に野球の情報を載せるのは止めました。それよりも、アメリカサッカーの普及のため、自分のfacebookをサッカーの情報発信基地にしています。それは何よりもアメリカ人に保守的な考えを捨ててほしい、もっと世界を見てほしい…そういう思いがあるからです。でも、私の思いが分かってくれる人はそうなかなかいないでしょうね。なぜなら、未だにアメリカのサッカーに興味を示してくれる人は誰もいませんから。

食わず嫌いから解放してね。


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