前回あらすじ:
2019年11月20日。
ウィザス支部は、組合担当の社員が労基署から呼ばれて、「指導」を受けたことを知りました…。
2019年11月22日。
事前の予想通り、やはりA取締役からは、労基署から「違反していると指摘された」、ということは全く出てこなかったと報告がありました。労基署から聞いた話と食い違う点に、組合員一同どうも納得いかない。
そこで、労基署はどんな話をしたのか、聞いてみることに。
ウィザス支部:
「監督官、ありがとうございました。会社は、申請書を出せば、未払い残業代を支払う、とのことでした。また36協定に関しても、労働者代表を選出し直して、結びなおす、とのことでした。しかし…。
監督官が仰ったように、労働基準用法の違反とかではなく、『指導を受けた』という話でしたが、これは単なる指導なのですか?」
監督官:
「いいえ。是正勧告、ですから、『労働基準法の違反』に変わりません。労基署全体で検討した結果、出された文書なので、『法律の違反』です。
(具体的には)36協定の違反、そして時間外労働の支払いにおいて、深夜や休日の割増が足りていない、ということ、これが『法律違反』です。」
ウィザス支部:
「では、以前もお聞きしましたが、法律違反ということが確定したのですから、他の全ての事業所、についても、休日の確保、未払いに関しての是正、はできないのでしょうか。」
監督官:
「他の事業所については、やはり管轄の労基署からでないと、出来ないですね。まずは、こういう状況であることを、言える他の社員に言うなどして知ってもらい、他の事業所からの声、申告をあげてもらうのがいいと思います。そういう声、申告が相次いてくると、状況が変ってくると思います。」
ウィザス支部:
「そうですか…。それと、会社から、残業時間を全部計算して申請書を出すように言われていますが、元々は別に自分で残業しようとしたのではなく、普通に勤務していたら自然と発生するのに、申請書を出す必要があるのですか?」
監督官:
「そうですね、労使双方が計算することで、労使双方が納得する、ということなので、計算した結果をお互い確認できるという利点もあるので、意味はあると思います。」
ウィザス支部:
「労働時間の計算ですが、これは、以前ご説明した、web打刻の時間を基本に考えたらよろしいのですか?」
監督官:
「はい。基本は仕事を始めた時間であり、22:00以降も割り増し計算で、働いたと言える時間は全て計算に入れて結構です。28時間を超えている分、でいいと思います。また、払ってくれないなどの動きがあったら、連絡ください。」
…この時の話が、以降のウィザス支部の主張のベースの一部になりました。
さて、ここで分かっていることを改めて。
年間予定通り勤務でも、講習会の時の労働時間を一度、計算してみて欲しい、ということです。
もし1年の変形労働時間制を導入してしまっていても、過去の分はまだ効力があると思われます。
部門によって異なるのですが、以前ご紹介したように、大半の方は、季節講習会週40時間を超える分の労働時間、つまり残業、の合計時間が、みなし残業の28時間をオーバーする、ということです。
ご協力いただいて計算してみた方で、講習会中の残業時間の合計が28時間以内に収まっていた方は、一人もいませんでした。
で、それを申請させない、あるいは申請しても支給されない場合は、ここにあるように、年間予定表と、打刻の記録など働いた証明をもって教室のある地域の所轄の労基署に相談すれば、労基署から命令を出してもらって、
残業代を支払ってもらうことができる、ということです。
いや、むしろ、そうしてもらいたい、と思っています。
まず何より、サービス残業というものは、自分の仕事の価値を自分から下げにかかるものではありませんか、ということです。「自分の残業には価値がない」と言っているのと同じなのではないか、ということです。
また、本当の意味で、今、日本全体の問題になっている「生産性の向上」にも寄与しない、(残業の時間として労働時間に入らないのに)「成果」が上がってしまうという点で実態を反映しない、害悪ではないのか、という気すらします。
ここまでウィザス支部が団体交渉で主張してきて、はっきりしたのですから、もう本当は理解できているのです。
ですが、労働者本人から動かない限り、労基署から何か言われたり、支払い命令を出されたり、などということはないということが分かっているから、放置されている、という悲しい現実がある、ということです。
だから、むしろ監督官が言ったように、そうやって本来支払われるべきものが支払われていない、ということがあちこちでどんどん明るみになった方が、より健全な経営に近づくのではないでしょうか。








