(前回までのあらすじ)
2021年2月21日。
残業の禁止、みなし残業代の支給を一方的に停止すると、教室まで訪問してきた幹部社員に通告された組合員。
2020年11月、「時間外労働と給仕に関する労使協定=36協定」の提案を行ったことが事の発端。
ウィザスはその組合員の提案を無視し、36協定が期限切れになって半月も経過してから、会社側36協定案を組合員に提示。しかしそれは最初の会社案から全く変わらない、36協定案だった。
そして「これ(会社側36協定案)に同意すればよし、しなければ今日から残業禁止、みなし残業の支給もとりやめる。」とした。
2021年2月22日。
団体交渉実施。
ウィザスは36協定の提示に約3ヶ月もかかったことは謝罪しない、残業禁止命令もみなし残業の不支給も会議に参加させないことも全て妥当として撤回しないと明言。
その後、双方で労基署の見解も確認するが、組合担当のF氏からは、方針に変更はない、と連絡があった。
(あらすじここまで)
今回は、団体交渉の後、組合が出した申入書と、その後の回答書をそのまま掲載して終わります。
ここでも、F氏からの内容には全く変化がなかったことが見て取れると思います。
いつもの「0回答」を「誠実」に行った、というものでした。
2021年2月26日。
組合は、所轄労基署に確認した内容をふまえ、ウィザスに以下の申入書を送付しました。
(ここから引用)
2021年2月26日
申 入 書
当労組の組合員である○○に対して、貴社は2021年2月21日付で業務命令書を発出し、一切の残業を禁止するとの命令を出しました。
この件について、2020年9月15日団交申入書に基づき開催された2021年2月22日の団体交渉において、その詳細を確認すると36協定が未締結の状態であり、残業を命じられないためとしました。また、3月支給分の給与から貴社がみなし残業代として支給している時間外調整手当についても支払わないとしました。
組合は○○組合員が36協定締結のための協議を昨年11月から貴社に対して申し入れてきたにもかかわらず、無視し続けたために未締結の状況となっていることを指摘したところ、そのことには謝罪しませんでした。
時間外調整手当については、○○組合員と同様に貴社の第一教育本部で働く労働者にはその残業の有無、時間数にかかわらず支給されているものです。○○組合員に対して発令された残業禁止命令を取り消すとともに、時間外調整手当についても引き続き支払うことを要求します。
喫緊の要件につき、速やかにご回答いただくようお願いします。
以上
(引用終わり)
ここから、
2021年3月5日の、組合交渉担当のF氏からの「回答書」をそのまま記載します。
(引用ここから)
2021年3月5日
株式会社ウィザス
F
回 答 書
前 略
2021 年 2 月 26 日に貴組合からメールにて送信された申入れについて回答いたします。
貴組合員、○○が勤務しております当社□□におきましては、ご承知の通り、36協定が未締結の状況です。
これは36協定締結に向けた労使交渉の内容や経緯もあり、現在も継続協議中および、経過措置中であるとは言え、未締結の状況では、時間外労働・休日労働をさせることは労働基準法違反となります。
したがいまして、当社としてはやむを得ず、就業時間外の時間外労働・休日労働は禁止とする業務命令を本意ではありませんが○○に通達した次第です。
また、時間外調整手当につきましても、当社の「勤務管理マニュアル」等でも明記しております通り、13 時 30 分以前、及び 22 時以降の業務に対して支給するものであり、時間の内訳についても明確に記載しております。
よって、時間外労働を禁止する業務命令を○○に通達している状況下では、13 時 30 分以前、及び 22 時以降の就業実績が無くなるため、時間外調整手当を支給することはできません。
なお、貴組合が主張される「第一教育本部で働く労働者にはその残業の有無、時間数にかかわらず支給されているものです。」といった事実はなく、時間外調整手当を支給していない社員も第一教育本部には存在し、時間外勤務の実績に基づいて支給しています。
一方で当社としましては、当然 36 協定が未締結な状況を続けることが本意ではありません。
既に36 協定締結に向けて、貴組合との団体交渉の要求事項でもあった休日に関しては、先行して協議し、これまでの団体交渉を経て、ようやく双方で確認に至りました。
他の要求事項については先日○○に手交しました回答書で明確に回答しております。
最後に貴組合、○○からの要求事項申し入れから、貴組合に回答するまでには、当社の重要な人事労務関連の項目でもありますので、顧問弁護士、社労士への相談や管轄労働基準監督署への確認及び社内検討に時間が必要でした。
したがいまして、貴組合への回答に時間を費やしましたことについては、大変申し訳なく感じておりますが、36 協定締結に向けて、前向きにご検討いただければと存じます。
事情ご推察の上、何卒よろしくお願いします。
草々
(引用ここまで)