先日、女優の天海祐希さんが出演中の
舞台降板ということでニュースになりました。
軽い心筋梗塞ということです。
心筋梗塞というのは、心臓の血管が詰まった結果、
血液が行かなくなった心筋が壊死する病気です。
壊死まで行かない軽症は 「狭心症」 と言います。
軽度とはいえ心筋梗塞と診断されたのであれば、
心筋の壊死を伴っていることになります。
症状として考えられるのは、
・血管の根元ではなくて末端の方が詰まった
・詰まったのが短時間で、壊死が少ないうちに回復した
などであり 「軽い」 ということなのでしょう。
それにしても昨今、有名人や比較的若い人の突然死や
体調不良が多いように感じられます。
気になるのは放射能の影響です。
「突然死と放射能が何の関係があるの?」
と思うかもしれませんが、これがあるのです。
放射能被曝して影響を受けやすいのは
心臓をはじめとした腎臓、肝臓、甲状腺・胸腺・副腎などの
内分泌臓器であり、ここにセシウム137の高い集積と
組織障害が認められています。
(小児の場合、内部被曝線量の全身平均の約10倍の
値が内分泌臓器の値になる傾向があります)

【正常な心筋細胞】
【突然死した43歳の心臓の病理組織像】
この心臓のセシウム137の放射線量は45.4Bq/kg
※ Wikipeia(http://p.tl/-uhp)より
福島第一原発の現場に入った労働者の方は
ここ2年間で5人が心筋梗塞等で亡くなっています。
一般の人は現場にいるわけではないので
そこまでの外部被曝はないと思いますが、
食品などが口に入ることによる内部被曝の影響が
気になります。
政府の飲食物摂取制限に関する指標(暫定基準)では
一般食品で 100Bq/kg となっており、農林水産省は
震災地域に対して 「食べて応援しよう!」 と
いうキャッチフレーズを使っています。
もちろん応援するのは賛成ですが、その方法として
放射能含有食品を食べるのは大丈夫なのでしょうか。
ここでは突然死を引き起こす心臓の汚染レベルを
もとにしてその安全性を概算してみます。
まず基本的なことですが、食品などとともに体内に
取り込まれた放射性物質は血中に入ったり、
汗や便・尿などの排泄により体外に出され、
それは生物学的半減期と呼ばれます。
今、問題となっているセシウムの場合は平均的に
5歳児で23日、30歳で70日です。
( 「食品と放射能Q&A」消費者庁 より )
例えば放射能汚染された心臓(45Bq/kg)になるのは
全身平均で 4.5Bq/kg となる時なので、小児の
体重を19kg(5歳児の平均)だとすると
4.5×19=86Bq 摂取した場合です。
生物学的半減期を考慮すると、23日間のうちに
86×2=172Bq の放射能含有食品を摂取すると
危険なレベルに達するということになります。
つまり体重19kgの5歳児が3週間余りの間に
172Bq 分の放射能食品を摂取すれば、全身平均で
4.5Bq/kgとなり、内分泌臓器にはその10倍が集まって
放射能汚染された心臓(45Bq/kg=突然死レベル)に
なるということです。
体重60kgの30歳の場合には、同様に計算すると
2か月余り(70日)の間に、540Bq分の放射能含有物を
食べれば突然死レベルに達します。
現在の放射性セシウムの基準値は平成24年4月1日から
次のようになっています。
・一般食品 100Bq/kg
・牛乳 50Bq/kg
・飲料水 10Bq/kg
ちなみに、東北大震災から1年間余りは次の内容でした。
・野菜、穀類、肉、卵、魚 100Bq/kg
・牛乳、飲料水 200Bq/kg
いずれにしろ、5歳児が3週間で 172Bq とか
30歳の人が2か月で 540Bq などという状態には、
放射能が含まれる食品を摂っていれば
簡単になりそうであることが分かります。
(実際、99Bq/kg のお米は流通しています)
ベラルーシの元中央科学研究所所長である
ユーリ・バンダジェフスキー氏は、日本の食品の
暫定規制値について「大変に危険」とし、
さらに食品に関する影響への懸念として、
「今後放射能が土壌に浸透して野菜が吸収しやすくなる」
と述べています。
実際、福島の放射線量の高い地域では
生物界の異変が起きているようです。
ユーチューブ
ニューヨークタイムズ
いずれも放射線量の増加で鳥やチョウ、セミが大幅に
減少していることを伝えています。
また他にもネットでは、アブラムシやチョウの奇形が
大幅に増えていることや、馬がどんどん死んでいく
といったことを伝えています。
放射能は見えないだけに新聞記事やニュースに
なりづらいのかもしれませんが、現在の事態は
とても楽観できるようなものではないようです。
震災地域に対しては 「食べて応援しよう」 ではなく
補償することで汚染食品を食べなくても応援できるような
状況にすべきだと思います。
そして私たちはまず、自分や家族が放射能をできるだけ
含んでいないものを口にするよう注意を払っていきたい
ものです。
【放射能汚染の格付け図】
※ 月刊誌「食品暮らしと安全」2012年2月号 より