2020年6月30日にまたここで会おうー瀧本哲史伝説の東大講義 | 読書雑記

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☆☆☆★★

2012年6月30日、エンジェル投資家、京大客員准教授などの肩書を持つ瀧本哲史氏が、次代を担う10代、20代に限定して東大で行った講義の記録。

日本の現在・未来に危機感を持つ瀧本氏は、カリスマを待望せず、いかに皆が自分で考え自分で決めていく世界をつくっていくか、そのための「武器」を若者に与えていく。

・最重要の教養は「言語」である、言葉マニアになれ。
新しくて正しい考え方を選べば、最初は少数派でも、何十年か経って世代交代さえすれば、必ずパラダイムシフトは起こせる。
・交渉はいかに相手の利害に沿った提案ができるか。
・人生はいかに多くのチャレンジをし「分母の数を増やし)、そこから2、3の成功例をつかみ取るか。
・その人が過去に生きてきた人生はその人にしかないユニークさでだれにも盗まれない唯一無二なもの。

時には厳しく時には温かく、若者に「檄」を飛ばしていく。

音源は聞いていないが、実際の講義は文字では伝えきれない迫力があり聴衆の心に刺さったであろう。その興奮や氏が与えた武器を少しでも本書で味わいたい。

講義が行われた8年後、皆がどう取り組んできたか、宿題の答え合わせをするために、「2020年6月30日にまたここで会おう」と瀧本氏は締めくくった。

しかし、この約束は果たされなかった。
氏は病により2019年8月に永眠する。
それぞれが自分で答え合わせをし、瀧本氏の遺志を受け継いで、自分自身で考え決め世の中を変えていけるのかが問われている。