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☆☆☆☆★
警視庁強行犯係・樋口顕シリーズの3作目。
このところ毎週一冊のペースで今野敏の作品を読んでいる。
シリーズ1作目・2作目で樋口の捜査を手助けした荻窪署生活安全課・氏家の登場シーンが少なくて寂しいが、これまで読んだ今野敏の小説と同様に、思わせぶりな終わり方をせずに、物語を丁寧にしめくくっているのがよい。相変わらず読後感も心地いい。
本作を読んで興味深かったのが、同僚の不祥事に対する樋口の対処の仕方だ。同じ今野敏の警察小説『隠蔽捜査』の主人公であるキャリア警察官僚・竜崎伸也が見せた不祥事への対応とは一見正反対に思える。別の作品とはいえ、主人公の価値観が問われるような事態への対処の仕方が対照的だったので特に印象に残った。
また、本作では、若者たちの踊るダンスが重要な題材になっており、ダンスの動きに対する描写が非常に丁寧で、なぜ著者はダンスに関して細部や踊るときの感覚的なところまで書けるのだろうと不思議に思うが、そのあたりのことは、あとがきに詳しい。