掃除 | ゴミブログ season7

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日々の事を書く

年に数回、まあ、多くて3回くらいだが、一念発起して部屋の掃除を試みることがある。大抵は万年床周りのゴミや虫ケラをさっと掃除して終わるのだが、今回はおれの威信をかけて徹底的にやることにした。


前日に酒を飲みすぎたおれは、7時に目を覚ました。幸せな夢を見ていた。いるはずのない妹が2人もいて、やたら豪華な家に住んでいて、家族団欒の時間を過ごしていた。おれは幸せな夢の続きを見るべく、8時まで目をつぶっていた。すると、本当に続きを見られたのだった。


前の眠りにおれは悪夢を見て、しかもその悪夢がほとんど現実で起こるという事態に遭遇していた。正夢というやつだ。だったらこの夢も、という気持ちが働き、けっきょく9時までがっつり寝た。


5分掃除したら5分休憩するというペースでおれは作業をしていた。なかなか順調だった。おれは部屋にキャンプ用の小さなテーブルを置いて、物置に使っているんだけど、その上をようやく片付けることができた。通帳や診察券、印鑑やTENGAなど、生活には欠かせないものは適切な場所に配置した。


本もたくさん出てきた。もう一度読み返したいと思っていた小説や、2度と開きたくなかった中学の卒アルまで。卒アルは自分が映ってなさそうなページだけ開いた。他の生徒にメッセージを書いてもらう、もはや書かれてないことが様式美になっているあのページには、やはりなにも書かれていなかった。まあ、そんなものだ。


年表をなんとなく指でなぞっていたら、視界の端を黒い影が掠めた。瞬間、おれはティッシュを数枚抜き取り、0.1秒前まで影がいた場所に叩き付けた。影は颯爽と布団の下に逃げて行った。


その影とは虫だった。おれは卒アルをゴミ袋に入れ、とりあえず本の整理をすることにした。あの虫どもがどこから来たのかはわからない。


ある日突然、やつらは部屋に湧き出した。この部屋の布団は、そこに敷いてから1度も、ただの1度も洗ったことがない。布団をめくったときの光景を想像してみた。河原にあるデカめの石をどかしたときの、あの地獄絵図が頭の中に展開された。


石の下にいるやつがなぜ石の下にいるのかというと、それは冬を越すためらしい。さっき見た黒い虫はかなりの俊敏さだった。ここのところ暑くなってきて、この部屋に巣食う虫どもも動きが活発になっているのかもしれない。同じくこの部屋に巣食っているおれなどは、暑さに比例して動きが緩慢になってると言うのに。


虫も厄介だが、本の整理も厄介だった。本を動かすたびに竜巻でも発生したのかという量の埃が舞うのだ。たちまち目と鼻をやられたおれだったが、むかし買って読まずに放置していた同人誌などを見るにつけても、いちいち手を止めて読まずにはいられないのだった。


で、いよいよ4年ぶりくらいに布団を引っ剥がしたんだけど、




おれの精子の化石がでてきた。