人生 | ゴミブログ season7

ゴミブログ season7

日々の事を書く

仕事が見つかるのはいつだって最高だが、その次にいいことは仕事を辞めることだ。おれは先月の下旬にコロナにかかった。正味2日目で熱は下がったが、会社の規定で10日間も休んでいいとなると、完治したとて出勤するモチベなど沸くはずもない。早退や無断欠勤の果てにメールで契約終了を言い渡されたのだった。


晴れて無職になったおれだが、働くモチベが高かった。無職になった次の日にハロワに行き、なんとそこから3日間連続で通った。そして、3日間連続でパソコンの前に鎮座し、なにも得ることなく家に帰った。


これまでのおれはちょっと軽率に仕事を決めすぎていた。家から近いからと言って薄給の仕事に応募したり、給料が(前のとこよりは)良いと言っては家から遠い場所を応募したり。そんなだから数ヶ月単位で転職を繰り返すことになるのだ。おれの社会人経験は1年足らずで、気づくべきことはまだまだたくさんあった。


というわけで、今回は少し悩むことにした。悩んでる間、なにもしないのは芸がないので封筒と遊ぶことにした。前からやつに「かまいたちの夜」を遊ばせるために洗脳していたのだが、それがとうとう実を結んだ。仕事終わりに秋葉原でプレイステーションとソフトを買うというので、それについて行くことにした。


お目当てのものを買うと、あちこちを行ったり来たりした挙句、最終的に亀戸に流れ着いていた。亀戸はおれ的には縁もゆかりもある土地で、なんてったって「てーきゅう」原作者のルーツが住んでいる他、東方プロジェクトのグッズが所狭しと並んでいるオタク向けバーがあるのだ。毎回ぼったくられるからあんまり行きたくなかったんだけど、けっきょく行った。客はいつもいるので、たぶんおれ達が料金システムをなにか勘違いしているのだ。


封筒おとしたが店員の女の子をしきりにレイプしたがったので、やつの獣性を抑えるために店を出てビデオ館へ行った。ビデオ館というのはその名の通り、ビデオがたくさんある館だ。亀戸に来たときはいつもここで眠るのだが、滾る封筒おとしたは受付でVRマシンを借りていた。


ソファに座り、目を閉じた。ビデオ館や漫喫の個室で夜を過ごしているといつも不安になる。おれはなにをやっているんだ?このままでいいのか?おれのやりたいことってなんなんだ?不安がおれの心のドアをノックする。ドンドンドン……ドンドンドン……その音があまりにも大きいから、おれはドアを開けた。


封筒おとしたが立っていた。


「おい、VRマジやべーって、おれの部屋こいよ!」


おれはドアを閉め、再び眠りにつこうとした。不安とかでなく、普通に蒸し暑くて眠れなかった。外では雨が降っていたのだ。


翌朝、おれと封筒おとしたはそれぞれの家に帰ることにした。おれはいつもの日々に戻ろうとしていたわけだけど、封筒の人生にはイノベーションが到来しようとしていた。VRにどハマりした封筒は、京成小岩にある家に真っ直ぐ帰らずに秋葉原にVRマシンを買いに行ったのだ。


あくる日、おれは封筒の家に朝から遊びに行くことにした。やつは仕事終わりで、秋葉原に集合した。プレイステーションのメモリーカードを買い忘れていたのだ。


けっきょく昼頃にやつの家につく。やつの家にはちゃんとVRマシンがあって、おれも遊ばせてもらった。ライブラリに1本のAVがあったので、それを再生した。すると、尻やおっぱいが目の前に現れるではないか!


おれはびっくりして腰を抜かしたが、すぐに元気を取り戻した。まるで初めてエロ本を手にしたときのような感動があった。初めてエロ本を手にしたときの感動を、おれは風俗に行ったときも味わえると思っていた。手コキクリニックは優良店だけど、エロ本ほどの感動はなかった。


封筒が70000円も出してこの装置を手に入れた理由がわかった。手コキクリニックは所詮、女を使ったオナニーでしかないが、VRは完全なる未知だった。おれの知らないオナニーだったのだ。それにしても、本当の未知に出会いたいなら70000円払ってセックスさせてもらう方がよかったんじゃないか。


おれと封筒は夜通しVRで遊んだ。朝になったころには視界いっぱいに引き伸ばしたデカキンを映すくらいしか遊びは残ってなかったけど、本当に楽しかった。おれの人生、この先ずっとこんなんでいいなと思った。70000円払って女とセックスするよりも、70000円払って実存しない女に擬似フェラチオしてもらうような、そんな人生で。