Just A Little Bite -2ページ目

ごちそうさま、大好きな街



10月のシアトルはとっても肌寒くて、
温かいコーヒーがとても似合う街になる。


街のマーケットにはランタン用の大きなカボチャが
ゴロゴロと山のように並べられて、
子供も大人も自分のお気に入りを見つけようと、
楽しそうにカボチャ選びに夢中だ。

これからの時期は、
ハロウィンのコスチューム
その後の感謝祭のメニュー
クリスマスのプレゼント
楽しい悩み事が目白押しのシーズンだ。

街中がデコレーションされて、
キラキラとまぶしい。



そんな大好きな街シアトルを後にして、
今年の8月の終わり、
私たち家族は日本へ引っ越しをすることになった。

5月の終わりに相方の日本での仕事が決まり、
あっという間の引っ越しは、
私たちがシアトルに来た時と同じような
慌ただしいものだった。

人生は旅
そんなことを以前に書いたことがあった。
また、新しい旅へと出発する事になった私たち。

日本でどんな出会いが待っているのか、
期待と少しの不安を胸に抱えて、
私の国へと戻ってきた。



そして今、少しだけ立ち止まって振り返る。

私も相方もシアトルの出身ではないから、
いつかこの街から離れる事がくるだろうとは思っていたけれど、
実際にその日が来て、街を離れてみると、
急に寂しさがじーんと心に広がる時がある。

新たな旅の始まりが決して嫌な訳ではないのだけれど。。。

シアトルに住んで5年間。
楽しい事だけではなかったけれど、
この街が大好きになっていた。

私がたくさんの時間を過ごした小さなキッチン。
オーブンのある暮らしは想像以上に快適だったなぁ。
相方の選んでくれたレコードを流しながら、
キッチンで料理をするのが私の楽しみだった。

お気に入りもたくさん増えた。

近くのファーマーズマーケットの野菜
お気に入りのカフェで飲むコーヒ
夜遅くに食べたくなって行ったアイスクリーム屋さん
美味しいハンバーガー
顔なじみの店員さんがいるスーパーマーケット

美味しい物をたくさん食べて、
素敵な場所を見つけて、素敵な人に出会った。
ここで出会った人や場所が今の私を作ってくれた。

直感で選んだ街だったけれど、
この街でよかったと心から思える。



そして何よりも私と相方の大切な赤ちゃんが産まれた街にもなった。

だから、私たちはまたこの街を訪れることは絶対にあると思うし、
娘が大きくなったらどんなところで産まれたのか、
私たちがどんな風に暮らしていたのか、
見せてあげたいなと思っている。

その日がくるまで、
どうか、そのままの素敵な街でいてね。

楽しい思いでたくさんありがとう。
美味しいものいっぱいありがとう。

お腹いっぱい、胸いっぱい。

ごちそうさま、
大好きな街シアトル!