- 東京物語
- ¥3,591
小津安二郎監督、1953年作品。
一度見て、次の日にも解説付きのバージョンまで見た。
何度も見たくなる名作。
日本のありふれた家族をリアルに描いている。
リアル過ぎて残酷ですらある。
親子、親戚関係の本当の姿があり、
平成の日本でもあまり変わってないような気がする。
遠い故郷の母親危篤の知らせを聞き、
子供たちが一応喪服を持って行こうと話してるところなんかはドキリとする。
日本独特の家族像があるので外国で人気があるのもうなずける。
ただ、訳すのが難しいだろうな思うような気もする。
料理を出すときに「美味しくないですが…」といったりする
原節子のセリフは日本独自の控えめでへりくだった言い方で面白いだろう。
俳優陣もすばらしい。
主役の笠智州は70代の老人役であるが、
このときまだ40代後半だったらしい。
話し方歩き方などどう見ても老人にしか見てない!
この老夫婦の優しく穏やかな様子は亡き祖父母を思い出させてくれた。
杉村春子のおばさん役も強烈。
親戚が集まると一人はいそうなはっきりと物をずけずけ言うおばさん。
母親が死ぬとすぐに形見分けをもらおうとしたり
肝が座ったおばさんははまり役だろう。
原節子はいかにも昭和美人て感じで
最初見たときはこの人が原節子かぁくらいにしか思わなかったが、
戦争で夫を亡くした女性の寂しさを見せようとしない気丈さや
古き良き時代の日本女性の奥ゆかしさを演じる姿を見てたら
だんだんと引き付けられてしまった。
尾道の風景も素晴らしかったし、
有名なローアングル、
他の映画では見たことないようなカメラの切り返しや目線は
妙な雰囲気を醸し出し斬新に見える。
戦後まもなくの作品がこんなに面白いということに驚いた。
昭和2年から終戦・戦後までを描いた作品。
舞台は満州。
石原莞爾が満州事変で唱えた「五族協和」、「王道楽土」という理想と
満州国が日本の植民地になっていく現実の間で
役人である主人公は苦しんでいく。
日本の農民は凶作で苦しみ疲弊していたところ、
肥沃で広大な満州国で豊かな生活をできると夢を見せられ
多くの日本人が入植していく。
日本人は満州で豊かな生活を送り、
関東軍は横暴を重ねて満州を植民地化していくが、
日本が敗戦すると一瞬にして立場が逆転し、
満州にいた日本人は中国人に略奪、強姦、虐殺され、日本に帰る。
日本に帰れず残留孤児となった人もいる。
満州は日本人にとっても中国人にとっても悲劇の場所になってしまった。
満州を中心にした日中関係について良い勉強になる作品だった。
ただ南京大虐殺についての記述で
事実がはっきりしていない写真・事柄まで書いてしまったため
休刊したり、終戦前後の内容が駆け足になってしまったようだ。
それがなければもっと大作になってたかもしれないので残念。

