更にさらに下って行った。途中、小学生のハイキング行事最中の落雷事故の碑があった。もう少し下ったところで林が切れ、視界が開けて、将棋頭の山腹を見上げられる場所があり、ここがバスで訪れたご遺族の方たちが山に向かって冥福を捧げられた場所だと教えられた。
更に下って「ぶどうの泉」に着いた。このすぐ下の山腹にはかなりの太さに育った山ブドウの木が沢山生えていて、それにちなんだ命名であろうか。湧水が流れていてこの水はとてもおいしいとのこと。座る場所も用意されている。先客がいたが直ぐ出て行ったので我々で席を占め、ここで昼食を摂ることにした。
湯を沸かしてカップ・ラーメンをつくり、伊那市で買ったみそぱんをかじった。いつものことであるが、Kさんと旅をするこの瞬間の雰囲気が好きで、粗末なものを食べているのに、楽しい、来て良かったと思ってしまう。不思議だ。桂小場に12時に到着する様時間調整しつつ休んで、出発した。
12時丁度に桂小場に着いた。ちょっとした広場があり、そこにタクシーが待っていた。「伊那駅へ。」と告げて、駅まで直行した。この地方はこの夏は水不足で、農作物の栽培が大変だったことや、間近に予定されている県知事選の話題などを運転手さんと話しながら、駅に向かった。
駐車場で料金(3,400円)を清算し、登山靴をサンダルに履き替え、解放された気分で温泉に向かった。温泉は南箕輪村営で杉木立の中にあり、来客10万人達成の垂れ幕が下がっていた。幾つもの風呂があり、我々はあれこれ浴槽を変えて手足を伸ばし、山旅の疲れを汗と一緒に湯水で洗い流した。
帰りが週末で、その上月末だったので車の混み具合が心配であったが、高速道はさほどの混雑もなく、都心に入っても通常の混み具合であり、7時過ぎには葛西駅前に着いた。
今回、長い間抱き続けてきたこの山行が無事果たせて、大きな胸のつかえが下りた思いである。Kさん、どうもありがとうございました。 』