これまでのイタイ恋愛エピソードを成仏させる為に執筆。
今回は熊本で出会った男とのあれこれ。
当時働いていた業界では、結婚していない働き盛り(30~40代)
の男性に関しては、先の大東亜戦争で赤紙で徴兵される市民の如く、いとも簡単に転勤を命じられていたのだ。
まぁそこには一応出世と昇給というニンジンがぶら下がってはいるのであるが、メリットとデメリットを比べた場合、圧倒的にデメリットが多いので正直諸手を挙げて喜んだことは無い。
熊本に転勤を命じられたのも、人事部の追突事故の帳尻合わせ的な部分が大きく、キアヌ・リーブスが抜けた代わりにジェイソン・パトリックを抜粋したスピード2みたいな人事であった。
そんな初めからモチベーションが上がらない環境の中、早々と熊本のゲイバーに足を運んではくだを巻く日々を過ごしていたのであるが、時には眼福にあやかれるような日もあったりする。
「ヒゲさん」と呼ばれるその人は、当時30代半ばくらいの年齢で、見た目はデビュー当時の川畑要(ケミストリー)に似ていて、ワイルドさの中に可愛さも兼ね備えているタイプだった。
ゲイバーのママも彼をお気に入りのようで、彼が来店するとカウンターから出て彼の横に座り、まるでフロアレディーのような接客をし始めるほどだったので、自分は遠くから見るだけだった。
もし仮に彼の隣に座る機会があったとしても、今までの経験上共通の話題で盛り上がれる気もしないので(自分がマニアックな自覚は一応ある)、鑑賞するだけでそこそこ満足していたのだ。
そんな或る日、休日に熊本市街を一人散策していたら、後ろから左肩を叩かれたので振り向くと、そこにはあの「ヒゲさん」が笑顔で立っているでは無いか!!
滅茶苦茶動揺しながらも「こんにちは」と挨拶すると、「飲み屋で会った事あるよね。だから挨拶しようと思ったんよ」と屈託なく言われ、そこで久々に恋愛スイッチが入ってしまったのだ。
まず話したことが無いにも拘わらず、こちらの事を認識していたという事が恐らく向こうも気になっていたという事だし、普通話した事無い人に話しかけるのは結構勇気がいる事でもあるし。
恐らくその会話の瞬間に関しては、脳細胞を総動員してその場の状況把握と今後の言動に関してのパターンを取捨選択し、人間の眠っている潜在能力の9割の内7割以上は使用されていたはずだ。
なのでその後の会話の流れの中でヒゲさんのメルアドを難なくゲットする事が出来、来るべきデートの日に備えて妄想シミュレーションに勤しむ日々を過ごす事になったのだ。
続く
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今回のイケメンは、グーニーズの主役ショーン・アスティン。
兄役のジョッシュ・ブローリンは子役を脱したけど、フィリップ・シーモア・ホフマンの伝記映画があれば主役張れるはず。
