これはゲイだろうがストレートだろうが関係無いとは思っているのであるが、変な相手を好きになって振り回されてしまう時って、寂しさが違和感を全て流し去ってしまうからだと思うのだ。
まぁ恋愛モードに入っている時って、多かれ少なかれ正気でない状態が継続している場合が多いので、相手に対しての妄想が現実を凌駕してしまい、宗教的なレベルにさえ達する事もあるし。
傍目からイタイ行為だと思われても、当の本人は「純愛」を唯一の武器としてあらゆる困難に立ち向かっていくので、その陶酔度はどんな薬物による効果よりも心地良いと感じているのだ。
その彼との出会いは大阪のゲイバーで、それぞれが鹿児島と東京から旅行で来ていた際に立ち寄っただけで、店内に居た大勢の客の中で特に接点があったあった訳でも無かったのだ。
実は自分はその当時、不本意ながら福岡から鹿児島に転勤となっており、職場環境も良くなくキャリアの停滞を感じていたので、転職を考えて休みを利用して大阪での面接を受けていたのだ。
しかもたまたまであるが、ゲイバーに立ち寄った日は自分の誕生日だった為、なんとなくそんな日をビジネスホテルで一人で過ごすのが憚れたのもあって、その寂しさを紛らわす意味もあった。
賑わっている店内で彼とはカウンターの席を二つ開けて隣に座っており、微妙な距離感の為に特に会話をする事も無かったのであるが、時折彼の視線を感じる事は自意識過剰ながらあったのだ。
彼の風貌は彫りが深く二重のハッキリとした顔立ちながら、童顔のような人懐っこさと顎髭を蓄えたワイルドさも併せ持っていて、所謂こちらの世界のモテ筋さんでもあった。
店内では彼の事を盗み見している客も散見したので、機会があれば話しかけたいと思っている輩は多かったようで、彼と店のスタッフがしている会話に聞き耳を立てているようだった。
ただ時折自分が店のスタッフと話す事があった際、その彼は会話に対して相槌を打ってくれたり笑顔を向けてくれていたので、なんとなくは好意を持ってくれているんだろうとは感じていた。
でも当時は転職の事を含めキャリア重視の生活を送っていたのと、前の彼氏の事を少し引き摺っていたので、出会いに関しては積極的では無く、こちらから近付こうとは一切しなかったのだ。
バーに入って1時間程度経った頃、痺れを切らしたのかその彼はスタッフにチェックのお願いをして店を出て行ったので、まぁ当然だろうなと思いつつ、自分もその30分後には店を後にした。
続く
本日のイケメンは、ジャンカルロ・ジャンニーニ。
元々イタリアの俳優だったけど、90年代以降はハリウッド映画での活躍が目立ち、強烈な悪役なんかの印象が強い方。
