「充電・給電から見たEV短観」2012年、いよいよ電気自動車(EV)の普及が加速しそうだ。かつて問題視されていたEVの航続距離問題や、充電器のインフラ整備が本格普及していないなどのマイナスイメージが払拭され、生活圏にEVのある暮らしが受け入れられ普及し始める年となるだろう。
それには利便性のほか経済性や、環境に優しい乗り物であることなどが社会に広く周知され、個々の利用シーンに合わせた使い分けが可能になってきたからだ。充電器の普及や、給電方式の観点から、今後のEV普及の様を見通してみた。
「地方から普及する」 EVの利点は多々あるが、大きなメリットとして家庭で充電できることだ。他にも震災をきっかけにEVを蓄電目的で利用する考え方が浸透してきた。
さらに最近の住宅メーカーの広報物には必ずと言ってよい程EVが採用されている。これは太陽光発電などの自然エネルギーシステムを装備した「スマートハウス」と呼ばれる商品を、各ハウスメーカーが相次いで市場に投入しており、その提案パーツとして蓄電池役のEVに対応した住宅が重要な位置付けとなった証だ。中には家に電気自動車が標準装備という商品まで発売されている。
こうした異業種の結びつきによって付加価値が増し、家の購入を契機としたEVの普及が大きく考えられる。しかし「スマートハウス」は一戸建の商品が多いため、都内の様にマンション形式の住宅が多い地域よりも売り込みし易い、地方の一戸建てにEVを取り入れた販売が標準化することが予想される。
今後は地方から普及が加速してゆくと推察出来る。
「充電方式が変わる」 EV充電の方法はシーンに合わせ多様化してきた。昨年末までに国内に585台設置された急速充電器は短時間充電ができるが、実はバッテリー電極に負担を掛けてしまうことがある。
そのため集客効果を狙う商業施設等では、充電専用の駐車スペースを設け、安価で設置できバッテリに負担の掛かりにくい中速充電方式の導入が主流となり普及するだろう。
それらを加味した新事業が始まっている、それは飲料・自動販売機メーカーなどの補填で200Vの中速充電器を無料設置・導入する活動がスタートした。
身近な充電器普及の要となり得る可能性大だ。
また、充電の方式も変化を遂げてきている。ケーブルの差し込み作業を必要としない非接触充電(ワイヤレス充電)の開発が活発化してきた。
電気送電効率が向上し、安全性が確認出来れば実用レベルに達する。将来的には道路に設けられたEVレーンを走行しながら充電できる。
充電残量、バッテリーの容量、充電ポイントの制約が解消され、EVの可能性が広がりを見せるだろう。