ニュルンベルク交響楽団(2015年12月、ドイツ・ニュルンベルク) | クラシック音楽と食べ物と。。。

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今回も2015年12月、ドイツニュルンベルクからです。

ニュルンベルクのクリスマスマルクトを見てから、コンサートホールにやってきました。その名も「マイスタージンガーハレ(Meistersingerhalle)」。ニュルンベルクにあるマイスタージンガーホール。これは絶対に行かねばということでやってきました。ドイツでは、昔から徒弟制が発達し、いろいろな組合(ギルド)を中心に商工業が行われてきましたが、その親方がマイスターと呼ばれる人たちです。こういった親方や徒弟たちが集まって詩や歌を競い合う文化が栄えたのですが、ニュルンベルクはその中心地となっていました。ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」もこれを背景に書かれた作品です。

 

第二次世界大戦で主要なホールが破壊されたニュルンベルクでは、1958年にコンペを行い、建物はHarald Loebermann、インテリアはWunibald Puchnerが優勝を果たし、1960年に建設が開始され1963年に完成しました。こちらがそのマイスタージンガーハレ

 

2,100名を収容できる大ホールの舞台には、G. F. Steinmeyer & Co.製のパイプオルガンがその威容を誇っています。クリスマスシーズンということで舞台の左右にはクリスマスツリーが飾られています。

 

今日の演奏会はクリスマスコンサート。前半は、Die Nürnberger Symphoniker(ニュルンベルク交響楽団)の演奏会です。

指揮は、Vladimir Yaskorski。アルメニア出身の指揮者で、アルメニアのエレバン州立音楽院で学んだ後、リューベック音楽大学(樫本大進もここで学んでました)、ワイマールのフランツリスト音楽大学などで学んでいます。これまで多くのオーケストラと共演を重ねてきているようです。

 


オットー・ニコライ: クリスマス序曲


最初の曲は、

オットー・ニコライ: クリスマス序曲

Otto Nicolai: Weihnachtsouvertüre über den Choral Vom Himmel hoch, da komm' ich her

 

オットー・ニコライ(1810-1849)は、ドイツの作曲家・指揮者で、なんとウィーンフィルの前身となる楽団の創設者です。元々プロイセン王国ケーニヒスベルク出身ですが、その後ベルリンに出て、ベルリン・ジングアカデミーメンデルスゾーンと同時期に学んでいます。その後、ウィーンケルントナートーアの楽長などを務め、ウィーンフィルの前身を創設、ベルリン王立歌劇場・宮廷礼拝堂楽長に就任する直前に脳梗塞で亡くなっています。

 

この曲は、1832に作曲され、1833年1月1日にベルリンで初演されています。ドイツの古いクリスマスソング「高き空より我は来たれり」をモチーフにしたこの曲は、荘厳な雰囲気で始まり、徐々に軽快になっていきます。ドイツのクリスマスにぴったりな一曲です。

 


メンデルスゾーン: 詩篇第114「イスラエルの民はエジプトを出で」


二曲目は、

メンデルスゾーン:詩篇第114「イスラエルの民はエジプトを出で」

Felix Mendelssohn Bartholdy: Da Israel aus Ägypten zog G-Dur op.51, Psalm 114

 

詩篇第114は、合唱とオーケストラによる曲です。

I.   Da Israel aus Ägypten zog / イスラエルの民はエジプトを出で

II.  Das Merr sah und floh / 海はこれを見て逃げ

IIII.  Was war dir du Meer / 海よ、おまえはどうして逃げるのか

IV. Vor dem Herrn bebte die Erde / 地よ、主のみ前におののけ

       Halleluja! / ハレルヤ

 

1839年に作曲され、同年ライプチヒで初演が行われました。正に、出エジプトの世界。なんとも勇ましい感じで、合唱が高らかに神の力を歌い上げていきます。合唱は、Knaben- und Jugendchor Charkiw。1990年ウクライナハリコフで設立され、指揮者Olexiy Koshmanの指導の元、世界中で活躍している合唱団です。

 


ヨハン・セバスチャン・バッハ: ヴァイオリン協奏曲第2番


三曲目は、

ヨハン・セバスチャン・バッハ: ヴァイオリン協奏曲第2番

Johann Sebastian Bach: Konzert für Violine und Orchster E-Dur BWV 1042

 

ヨハン・セバスチャン・バッハのヴァイオリン協奏曲。バッハが残した3つのヴァイオリン協奏曲の中一つで1720頃作曲されています。3つの楽章からなっていて、宮廷音楽って感じで、一気に明るい雰囲気に包まれます。

 

ヴァイオリン独奏は、タチアナ・ガペイエヴァ(Tetyana Gapeyeva)。合唱団と同じくウクライナハリコフ出身で、ニュルンベルク音楽大学で学んだ後、いくつかのオーケストラの所属し、現在はニュルンベルク交響楽団のセカンド・コンサートマスターを務めているようです。

 

~休憩中のロビーの様子~

 

後半は、合唱団の演奏でした。曲は、次の通りです。

  • 民謡: Dobriy Vecher Tobi、Nova Radist' Stala
  • Mykola Leontovych: Dudaryk、Schtschedryk
  • Michael Ippolitow-iwanow: Blagoslovi
  • Leonid Shukaylo: Halleluja!
  • Segej Rachmaninow: Vesennije Vody
  • Leonis Shukaylo: Jak Dizhdemo Lita
  • 民謡: Idy, Idy, Doshchiku
  • Giulio Caccini: Ave maria
  • Kirby Shaw: Rock-A My Saviour
  • Franz Xaver Gruber: Still Nicht, hellige Nacht
  • Gerge Gershwin: Clap Yo' Hands!
  • 民謡: We Wish You a Merry Christmas

アンコールは、

  • パッヘルベルのカノン
  • We Wish You a Merry Christmas!

でした。楽しい演奏会でした。こういう演奏会もいいもんですね。

 

ホテルに戻って、リースリング飲んで寝ます。