次の画像は宇多田ヒカルさんの「travelling」という楽曲の音圧です。
海苔みたいにびっしりと埋めつくされているのが判ると思います。
1曲を仕上げるミックスダウンの最後、マスタリングの時にMaximizerを使って音圧を上げるという処理をします。
これをやらないと音がスカスカになり、ボリュームを上げても、小さいという印象になります。
しかし、必要以上に上げると、音割れが生じたり、最悪、うるさいというのが正直な感想です。
他の歌手の方は、音圧を必要以上に上げすぎた曲を聴くと、ビリビリと耳(特に鼓膜)が痛いです。
でも、宇多田ヒカルさんの場合は、Maxのここまで上げても心地よく聴けるというのは、やはり声質に大きく依存していると思います。
歌手として実に素晴らしいです。
ちなみに、1980年後半、アナログ音源からCDのデジタル音源に切り替わった際、音楽業界関係者は困惑していました。
「音が小さく聴こえる」
「じゃ、音圧を稼ごう!」となったのです。
1980年代当時のレコード音源のまま、音圧を上げずにCD化された「安全地帯」の「ワインレッドの心」の音圧の具合は次の通りです。
波形が原型を留めているのが判ります。
まぁ、安全地帯の場合、しっとりとしたバラードが主体ということで音圧は稼がなくてもいいのですが、travellingは元気いっぱいの曲調なので、音圧は最大まで上げています。
この音圧というものを上げて、デジタルリマスター版としてCDを出すと、レコード音源の曲、全てに対して、消費者は、当初、「昔の曲をボリュームを上げただけで何の苦労もなく消費者から2重取りをしようとして再販している。」としか受け取りませんでした。
原理が理解していないから、仕方ないですよね。
今は、1990年代後半のCDで出した曲を、HDリマスター版とか、ハイレゾ音源として再販する動きがあります。
ハイレゾ音源の場合、スピーカーやヘッドフォンが対応していない場合、高音域で奇妙な音割れに近い振動が起きます。
良いヘッドフォンは持っているのです。
作曲時には、モニターヘッドフォンを使うのが常識ですが、私はケチってどの音域も全くブーストしない安物のヘッドフォンを使用しています。
その代わり、どの音域も適切に聴こえないという問題があります。
そこは、聴覚の良さを活用して補完しています。
ちなみに、モニターヘッドフォンは一番安いので2万円します・・・。
モニターヘッドフォンは、何の加工もしない、素のままの音を聴くためのものです。
普段は、CD音質の44.1kHzでしか作りません。
これの上が48kHz、その上が96kHzです。
96kHzで制作した方がいいのでしょうが、遊びでやっているので、そこまで求めません。
Sonyのハイレゾ音源対応ヘッドフォンで聴いたら、さぞかし良いだろうと思います。
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