伊都国つうしん 148
● サントリー・モルツが終売
終売は、実はことし3月のことだったようです、知らなかった。
ビール好き私の、ま、マニアックな話です、でも面白いと思います。
サントリー・モルツは、
サントリーがビールに参入して20年ずっと赤字つづきだったのを
黒字にするきっかけのビールだったのです。 ま、実際には、
ビール参入から40数年後のプレミアム・モルツ誕生で黒字になったそう。
「モルツ、モルツ、モルツ、モルツ」「うまんだなぁ、これが」
……… というテレビコマーシャルをたっくさん流してました。
モルツは、それまでの多くのビールと違い、ドイツのいわゆる “ビール純粋令”、
「麦芽だけを使ったものだけをビールという」 に則したビールなのです。
それまでのほかのビールは、米やコーンスターチなど副材料を使用していました。
間違っていたらごめんなさい、なのですが、
日本で初めて麦芽100%ビールを作ったのは、サッポロビールのエビスビール。
その後キリンやアサヒは海外の麦芽100%ビールを販売したのですが、
サントリーが初めて、このモルツを麦芽100%ビールとして生産しだしました。
ヱビスビールやサントリーの、いわゆる価格が上のプレミアムなビールでは
麦芽100%ビールはありますが、
通常の、レギュラー価格のビールで麦芽100なのは、途中で切り替えた「一番搾り」と
これまでのモルツだけ、だったと思います。
私は十数年前から、このモルツを普段飲みのビールとしてました。
自分の好みにあったビールだったんですね。
●で、実は。
今年3月に終売になった、とのことですが、
実はけっこう以前から、
20010年に沖縄生活が始まる前から、このモルツは手に入れにくかったのです。
置いている店が少ない、つまり生産量が少ないということですね、きっと。
沖縄時代もそうで、わが家近くでモルツを置いている店は、たった2か所でした。
それでも近くだったのでよかったのですが、そのうち1か所になった……。
ここでとりあえず、
そのモルツの写真を。
私はこの6パックが4つ入った
ケースを買っていたが、
それが見当たらず、
お店のよく知る人に尋ねたら、
終売になった、という話。
で、これがお店の最後です、と。
実は6パックが3つあったのですが、
私同様、これが好きな人もいるだろうと、
1パックは残した(笑)。
つまり、私が飲めるモルツは、
この12缶が最後だ。
話は戻り、これも、私の推測ですが、おそらく、
プレミアムモルツ、いわゆるプレモルをもっと売りたいために
通常ビール価格のモルツの出荷量を減らしたのでしょうね、きっと。
新幹線が開業したら、従来の便利だった在来線が減らされるのと同じ現象です。
きっとプレモルで黒字になったサントリーが、
プレモルをたくさん売りたいがために、レギュラーのモルツ生産を絞ったんでしょうね。
(間違っていたら誤りますが、たぶんそうでしょう(笑))。
ここ福岡西区および糸島のスーパーなどでも、モルツは売っていませんでした。
本当にラッキーなことに、わが家近くの酒屋やまやは、モルツを取り扱っていました。
やまやでは、ことし3月に終売したモルツを在庫していて、
それを店頭に並べていたのでしょう。そして、とうとう消えてしまうわけです。
●モルツ終売のあと、どうなったか。
さて。これまで私が書いた情報の中でも、参考にしたサイトがあります。
それがこれ。
価格.comマガジン
缶ビール「ザ・モルツ」が消える!
最新「サントリー生ビール」と飲み比べ
中山秀明
このサイトの記事を読み、モルツのあとにサントリーが生産販売したビールが、
「サントリー生ビール」だと、知りました。
写真もこのサイトからです。
再び、さて。
ボトルデザインもまったく変わりましたが、もっと変わったのが中身です。
新しいサントリーのレギュラービールは、
モルツ100%ビールではなく、裏の原材料名を見ると、
麦芽・ホップのほかに、コーン・糖類 と書かれています。
味は、モルツが(味の表現は人それぞれですが)濃厚でしっかりしているのに対し、
新しい生ビールは、なんというか、私が苦手なドライビール系という感じ。
これで、日本のビール製造大手4社の中のレギュラー価格ビールで、
麦芽100%ビールは、キリンの一番搾りだけになりました。
一番搾りは、同じ麦芽100%ビールでも、モルツほど濃厚ではないものの、
風味はしっかりしておいしいので、旅行などで、当然のようにモルツが買えないとき、
よく買っていました。
これからは、一番搾りを飲むことになるでしょう。
サントリーが麦芽100%ビールから、副材料を使うビールに変えたということは、
そちらのほうの需要が多いから、ということなのでしょう。
私は昔から、自分の好みが、世の中のトレンドから外れているものが多いな、
と感じていたので、もうあまり驚きはしないのですが。
しかし、好きなものが無くなるのは、やはりさびしいですね。