Okinawa通信225
●何を唄っているのかは、まったく聴き取れないのに、そのソウルフルな島唄には聴き惚れます。
昔からある島唄は、そのベースは、つらさであり、苦しさであり、痛みなのですが、
それを唄に託して、悼んだり、愛しんだり、気を晴らしたり、笑いとばしたり ……という内容のものが多いです。
図書館から借りる沖縄関係の本で、最近読んでとても印象深かったものが、
竹中労の 『琉歌幻視行』 です。
竹中労の 『琉歌幻視行』
なんともシンプルな装丁。
しかし中身は、ズンと濃い。
竹中労は、もう亡くなってますが、
評論家でありルポライターであり、アナーキストであり ……という肩書きですけど、一方で、
五木ひろしや八代亜紀らを出した歌謡番組 『全日本歌謡選手権』 で、長年審査員をしていたり、その後、
ビギンやたまなどを出した 『イカ天』 の審査員もやったりした人です。
その彼が、沖縄返還前の72年以前から、沖縄にひたり、
そこで失いつつある沖縄島唄に出会い、そして嘉手苅林昌 (かでかる りんしょう) に出会い………
(この本で知ったのですが) 以降、何度も何度も、来沖し、
本島ばかりか、宮古や八重山をもめぐって、消えつつある沖縄島唄を採集し、
彼自身のプロデュースで、何枚ものレコーディングを果たし、沖縄島唄の復興と記録に大きく貢献した、ある意味での功労者なのですね。
この 『琉歌幻視行』 は、
彼が大傾倒している嘉手苅林昌の唄を中心に、嘉手苅の人生や、島唄との出会い、島唄そのものについて語り、
そして、竹中がプロデュースしたLPたちに入れられた島唄それぞれの、背景や唄われている内容、
彼自身が採譜した、うちなーぐち (沖縄語) の歌詞が書かれています。
この本じたい面白かったですが、読んだからには、当然、その島唄を聴かずにはいられない ………。
本に書かれた唄がもっとも多く載っている
『沖縄 ーうた・祭り・放浪芸ー』 CBSソニー盤4枚組 は、
残念ながら沖縄市立図書館には在庫がないのですが (今度申し込んで買ってもらうつもり)、
そこにレコーディングされたそれぞれの曲が、再編集されたシリーズがあったので、さっそく借りてきました。
竹中労が心酔した嘉手苅林昌 (かでかる りんしょう)(島唄界の大御所ですでに亡くなってます) も素晴らしいですが、
竹中が、その当時 (70年代に) これから絶対よくなるとしていた歌い手たち (予言どおり当代最高峰になっているようです) がいい。
国吉源次! 大工哲弘! 大城美佐子!
彼らの、喉からしぼり出されるような爆発するような、まさにソウルフルな島唄には、
(歌詞を見ながら聴かなければ、まったく意味は聴き取れないけれど)
やっぱり聴き惚れてしまうのです。
何というのかな …… ネーネーズたちが唄う島唄とは、まったく違う、沖縄島唄の神髄にふれたような気にさせられます。
借りてきた
沖縄島唄のシリーズ。
上が嘉手苅林昌 (かでかる りんしょう)。
彼の淡々とした唄い方が、
嘉手苅節といわれるらしい。
かなりいい。
下が国吉源次と大工 (だいく) 哲弘。
二人とも、とてもいい。
特に私は、大工哲弘が好きだ。
●残念ながら、嘉手苅林昌の 「時代の流れ」 はYouTubeには、ないようですが……。
上の嘉手苅林昌のCD
第1曲めが 「時代の流れ」。
このブログでもときどき書いてきた
「唐(とぅ)の世(ゆ)から、ヤマトの世(ゆ)」…
が唄われていた。
ただ、嘉手苅林昌も、国吉源次も、大工哲弘も、大城美佐子も、YouTubeで見て聴くことができますので、
興味のある人はどうぞ。
私が気に入っている大工哲弘の島唄をいろいろ探していたとき、
高田渡の 「生活の柄」 を、唄っているのを見つけました。
大工がメインで唄い、高田渡がコーラスで唄っています。
ま、いずれにしろ、高田渡を知ってる人は、かなり年齢が上でしかもマニアックな人だと思うから、
お薦めするのもどうかと思いますが、これ、かなりいいです。
高田渡ですから、昔のいわゆるフォークなんですが、
大工哲弘が、サンシンを弾きながら唄うと、なんか乾いたブルースにも聴こえます。
私の友人、Wa氏にはすでに送っていて、彼からも 「これはいい」 とお墨付きをもらいました。
興味があったら、聴いてみてください。動画とありますが絵は動きません。
●大工哲弘+高田渡 「生活の柄(がら)」。
ちなみに作詞は、山之口貘という沖縄出身の詩人で、
ホームレスを唄った歌詞がたしか発禁になったと思います。
http://www.youtube.com/watch?v=jgBMuTvxL8Y


