パンスターズ彗星の初観測+天の川星景 | イーティーズ・プレイスの星空観測行

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岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

南天から太陽に近づき、3月10日に近日点を通過したパンスターズ彗星(C/2011 L4)がいよいよ北天に姿を現し始めました。パンスターズ(PanSTARRS : Panoramic Survey Telescope And Rapid Response System)は、自動全天捜索望遠鏡で、彗星や小惑星などをいち早く発見するための施設です。これまで「パンスターズ」の名がついた彗星は数十個存在し、小惑星は数百個発見しているはずです。

南半球から伝えられる彗星の画像や動画を見ながら、早く北の空でもみたいとジリジリしながら待っていましたが、やっとこの目で見られる日がやってきました・・・数日じらされた後でしたが。ダメもとで、10日から出かけてみましたが、沿岸は宮古市の田老、上空は快晴ながら西の低空には雲がたなびき全く見えず。11日、やはり無理を承知で滝沢村の相の沢。激しく降る雪を見ただけ。12日、盛岡市玉山区の渋民公園で岩手山とのツーショット狙い。日没とともに西空には雲が広がりアウト。13日、予報通りの雨。月齢1.5の細い月と接近した日ですが、何とも残念。

初対面は結局14日になってから。宮古市田老の夕日展望台です。直前まで西の山際に雲が残りヤキモキしましたが、地球照(月齢2.5)の月がギリギリ入るくらいでどうにかゲット。翌15日は雲一つない快晴、しかも無風と最良の条件です。湿度も低く、山際までくっきりと見渡すことができました。短時間でしたが、あれこれ試しながら撮影完了です。



超低空の山際のポッチ


焦点距離を変えての撮影


山際に沈む連続画像

当初の予報(予想)よりはだいぶ小さくなった感はありますが、それでも「らしい」姿で楽しませてくれそうです。ここしばらくは西空を北に移動しながら低空での観測ですが、3月下旬から4月上旬には北の空を一気に駆け上り、4月中旬からは一晩中見ることのできる「周極星」となります。ただし、光度は一気に下がり、肉眼では到底無理で、望遠レンズや望遠鏡での観測です。昨年暮れのリニア彗星の折にあれこれシミュレーションしましたので、これから5月までいろいろなパンスターズ彗星を記録していきたいと考えています。

夕方の彗星観測の後には、通常観測と、昇る天の川の撮影を計画しました。この時期、22:00頃にはこと座のベガ(織り姫星)が東の空に顔を出し、02:00頃には夏の大三角がそろいます。それに伴って天の川が昇り、薄明が始まる直前には、いて座までの全体像を空高く望むことができます。微速度動画撮影を兼ねて、天の川を追いました。また、「オメガ星団チャレンジ」も回を重ね、やっと肉眼でチラッとでしたが確認する機会を得ました。海上の薄い靄を通してでしたが。さらなる好条件を求めてチャレンジは続きます。



現時点でのベスト:見かけは満月より大きな巨大球状星団


浄土ヶ浜(宮古市)と天の川


大観音(釜石市)と天の川

昨年から撮り始めた「星景:岩手の天の川」は、昇る姿をあと数箇所撮影して組動画の体裁に整えて、2012夏~2013春の分の「完成版」とする予定です。県内には、まだまだ天の川がきれいに見える場所がありますので、引き続き撮影に出向き、「完全完成保存版」の作成に向けてあちこちに出没することになると思います。