今回地球に接近した小惑星は、「2012 DA14」という符号がつけられていますが、これは2012年の2月後半(D)に発見された351番目(A14)の小惑星という意味を表します。「14」は添字ですので、右下に小さく表記するのが正式です。実際に発見されたのは2月23日で、スペインにある天文台でのことです。地球に接近する前の公転周期は368日でしたが、地球の重力により軌道が変えられ、周期が317日になりました。
最接近時の地球からの距離は27700kmで、その大きさは直径45m質量13万トンと見積もられています。小惑星がこれほど(月の軌道より内側)近づくのは数十年に一度程度とされています。最接近の16時間前には、ロシアに隕石が落下して大惨事となり、そちらに話題が集中しましたが、今回の小惑星とは軌道が異なり、両者は無関係なようです。
さて、この小惑星、7等級で秒速8km弱で移動、1分間で1度(月の直径2個分)という高速です。最接近の頃から見え始め、薄明前までが観測に適した時間帯です。うみへび座~コップ座~しし座と、星々の間を移動していきます。何しろ肉眼では見えないので、「今、あのあたりを動いているんだな」と想像しながらの撮影です。高度も20度から40度とまずまずの条件です。
肝心の天気ですが、内陸はいつもの曇りや雪で可能性はありません。沿岸も北部は雪模様で避けた方がよい。残るは沿岸南部、とくればいつもの蛇ヶ崎(陸前高田市)頼み、ということに。GPV予報の最終更新(20:35)を確認してから準備の後に出発、現地到着はちょうど日付が変わる頃でした。期待通りの快晴無風です。小惑星通過までの時間、澄んだ星空の下、星雲・星団・銀河そして二重星と、じっくりと観測・撮影ができました。
通過時間が近づいてきた03:00ごろ、北西から雲が広がってきます。そして03:30には完全な曇り空。これが1時間も続くことになります。当然小惑星の見え始めはアウト。ようやく雲が切れてきたのはすでに04:30ごろです。ここからも少々の雲が現れては流れ、の繰り返し。完全に雲がとれていたのは最長でわずか12分間という結果でした。動画も作っては見ましたが、アップした画質に難があってかなり見づらくなってしまいました。元版の高画質ではきれいに見えているんですが・・・。

しし座の中を移動する「2012 DA14」