新月前後ですので、月明かりはなく、通常の比較明撮影は無理ですが、ISSの撮影であれば、わずかな明かり(人工光)でも何とかなりそうです。宮古市運動公園、昨年もISSの通過を撮影した場所です。「沿岸地域:一年後と二年後」の撮影を兼ねて出かけました。

2月8日18:17~18:20、オリオン座・冬の大三角を通過

昨年の同じ場所。瓦礫がうずたかく積まれていました
津軽石川~宮古湾に沿った堤防の上での撮影で、この夜は暴風警報が発令中でした。ISS通過時には、幸い風が少し弱まったのですが、見え終わりの直後、強烈な突風が吹き抜け、地面においたファイルが一瞬にして吹き飛ばされてしまいました。中には、この日からの観測用資料(各種天体の位置情報や出没時刻表など)が、紙ベースで10枚ほど入っていましたが、あっという間に海まで飛ばされ、すべて藻屑と消えました。
気を取り直し、数時間かけてデータを一部復元して、この夜は星雲と星団を集中観測・撮影、で無事終了。PC持参で正解でした。翌9日は、撮影画像の処理と観測資料の作成で日中はPCとにらめっこ。すぐに夜がやってきます。この日も、観測の最初はISSなのですが、うっかりしてISSの目視予報を調べ忘れています。
曖昧な記憶を頼りに、陸前高田市の大陽崎へ。対岸は宮城県の唐桑半島で、右は陸前高田市街方面、左は気仙沼市です。念のため、かなり早い時間から撮り始めのつもりでしたが、場所選定を迷った挙げ句、時間的にもアングル的にもギリギリでどうにか画角に収まった、という結末です。

岩手県と宮城県の県境あたりに見え始め
この後は、復元した資料を基に、通常観測・撮影。大気・気流の状態もよく、快適な夜でした。・・・3晩目(10日)も陸前高田市です。ISSの通過情報は調べがついていましたので、余裕で現地へ。この日は東北地方上空の通過で、ほぼ直上を通ります。魚眼レンズで、方向を工夫すれば全経路を収めることはできるのですが、地上風景との兼ね合いで、見え始めは切れた画像となりました。

気仙中学校~市街方面~水門まで
この時期(2月中旬)の夜明け前には、すでに天の川がけっこうな高さまで昇ってきています。夏の大三角~さそり座まではその全体像を見せています。いて座の中心が見えるまではもうしばらくかかりそうですが、相当に季節を先取りしています。

宮古市田老の夕日展望台にて(9日05:18)
春の星座は南中を迎えようとしています。南天高く目立つのは、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、そしてしし座のデネボラで作る、大きな正三角形「春の大三角」です。一辺の長さは、「夏」「冬」の大三角よりずっと大きく、近くに見える土星を加えて、それぞれ堂々の輝き、春の主役達です。

左下の土星は、7月ごろまで徐々に右上に移動します
11日に一旦帰宅し、所用を済ませた後に再び沿岸へ。快晴の予報は出ていましたが、やはり暴風警報も発令中。最初に向かった大陽崎(陸前高田市)は、猛烈な北風が吹きつけ、まともに立っていられない状況。一旦風よけを、と思い大船渡市の山中に移動です。北側の山を背にして、星団中心の観測と撮影。
風が弱まってきた気がしたので、再び大陽崎に移動。結局風が止んだのは2時過ぎでしたが、南天の低空にケンタウルス座のオメガ星団が南中する時刻には間に合いました。へびつかい座の球状星団の撮影中、流星と思われるものが画角に入りました。7~8等級と思われますが、肉眼では見えない、複雑な色を出しながらフラフラと落ちる微小流星と思われます。長いことやってますが、全体が写ったのは初めての経験です。

左上の星団は9.5等級。対角は1°弱(満月2個分)
そして、オメガ星団チャレンジ。低空には、海上の靄らしきものがかかり、万全の状態ではありません。星団は5.3等級で、肉眼で一瞬見えた気がしましたが、「見たい」という気持ちが作り出した「虚像」の可能性が大です。NGC5128銀河とともに撮影してみました。北緯39度での南中高度は、銀河が7°、星団は4°です。

岩手県内では、最も条件がいい場所の一つだと思われますが、それでもこんな感じです。盛岡周辺からは、よほど標高の高い場所まで行かなければ、その姿を見ることすらできません。おそらく、室根山(一関市)のきらら天文台あたりがこれより条件がいいのではないかと思われますが、今は冬季閉鎖中。岩手からのωチャレンジは続きます。